2023/11/15

三河白名倉砥石

前回に続きまして、また砥石です。

愛知県は三河産の名倉砥を手に入れました。

元々は羊羹型の砥石も産出していたのでしょうが、現在ではこのような形で入手できるものが殆どなのでしょう。

あったとしても目玉が飛び出るような値段のはず。

天然砥石は「枯渇」したのではなくて「産出しなくなった」のだと思います。

そもそも需要が激減(というか殆ど無い)しているでしょうから。

勿体無いなぁと思います。



私も初めて触ったのですが、京都丹波の仕上砥石とは全く違う柔らかさ。
そしてこんな形の砥石を使うというのは?

「砥泥(砥グソ)」を使うのです。
京都丹波産の仕上砥石(木端)に摺ってみます。
やはり柔らかいようで、白の砥泥が出てきます。
そう、包丁(刃物)は砥石でなく砥泥で研ぐべし。
私も人から教わった訳ではないのですが、少しづつ「研ぐ」を理解してまいりました。

本日は各包丁を軽く研いでみます。
いや、せっかく砥泥を出したなら使い切りたいというセコい考え。











とりあえず7本の包丁を研いでみました。

元々研いでありますから「刃を整える」という気持ちで。

良いのではないでしょうか。


これまでも砥泥を出して研ぐという事はしてきたんです。

京都丹波の仕上砥石は複数持ってますので、それを摺り合わせて泥を出すという方法。

これは砥石の面直しにもなりますので一石二鳥でもあるのです。


この三河の白名倉は石としては柔らかくて面白い。

京都の粘板岩とは全く異なりますね。


料理人でもない私が、こんなことをする必要はないとは思うのです。

しかしこういった事を体感するかしないか、自分は体感したいと思ってしまう。

さらにこの石の能力やらを知ることができたら楽しいと思います。

2023/10/27

中砥と荒砥

 久しぶりに砥石を手に入れました。

左の二つです。



















右の京都丹波産の青砥は現在使用中の中砥。
砥泥(砥くそとも言う)が出易くて非常に使いやすいので愛用しています。
とは言うものの我が家での包丁の使用頻度では中研ぎするまでに至らず、合砥(あわせど)つまり仕上砥石(木っ端ですけど)で2~3日おきに研げば全く問題ないのです。
この青砥もたまにしか使っていません。

今回入手したのは中砥と荒砥、つまり使用頻度の少ないもの。
左が荒砥の「大村砥」和歌山産です。


















砂岩だという事で表面は番手の高めの紙やすりのようです。
先日メルカリで昭和の頃のものと思われる木屋の菜切包丁を入手しました。
小さな刃こぼれが数箇所ありましたので、この大村砥を使ったのです。
人造砥石の荒砥は所有していたのですが、やはり天然は使いやすい。
砥泥も良くでますし、それが水と合わさったゲル状の液体が砥石の表面に残ります。
私は人造砥石の吸水性がいやなのです。
十分水に漬けておけば良いのでしょうが、水に漬けきった人造砥石はまた乾燥させるのが大変。

中央の未開封の備水砥(びんすいど)は天草砥石の一種です。


















昔に日本橋の木屋で天草砥の「虎砥」を買いましたが、この備水はそれよりも少し細かそうです。

これらの砥石は天然砥石とはいえ合砥のような高額なものではありません。
しかし産地の山は閉山する一方ですし、天然砥石は入手困難になっていくのは間違いない。
仕事で使う方にとっては日々消耗して行く砥石が入手できなくなる事は大問題だとは思いますが、私のような者には一本あれば一生物です。
面直しをしながら使っても使い切れないでしょう。

これからの刃物ライフが充実しそうです。

2023/07/09

湯川スペシャル(毛鉤)

 久しぶりに投稿です。

昨年から長野県の北佐久郡へ行くことが多くなりました。

北佐久郡は軽井沢町と御代田町、立科町の3つの町を含んでいます。

私が訪れるのは御代田町、ここでの生活を徐々に営んで行きたいと思っています。

そもそも急激に東京からの生活を移動するのは無理。


そして釣りをする者にとって軽井沢、御代田と言えば「湯川」です。

私も過去に何度か訪れました。

その湯川に自転車でも行ける拠点ができた。

そんな訳で、湯川で毛鉤釣りをするためにスペシャルな毛鉤を巻こうと思ったわけです。


一応「湯川スペシャル」と致しましょう。
しかしながら、基本は過去に「後ろ向きなピンチョロニンフ」として投稿した「バックワーズピンチョロ」と殆ど変わらず。

フックはガマカツのC14-BV、アイの穴が側面にある軽量なフックです。
このフックが出て「プードル」という名作毛鉤が出て、様々な記憶と共にあるフックです。

制作方法は「バックワーズピンチョロ」と殆ど変わりません。
むしろ「なるべく簡単に作りたい」という意思が働いているので更に簡単になっているはず。

「バックワードピンチョロ」ではウィングケースからボディー(背)をフェザントテイルにしたのですが、今回はテールの先を白くしたい事、ウィングケース含むボディ背面を暗い色にしたいな、と思いターキーにしてみました。

レッグはコックハックルのブルーダンを使いましたが、正直これはヘンハックルでも良し、オーストリッチハールでも良しと考えてます。

「ボディでなく足に見える」なら何でも良い。
ボディの白いダビング材は我が家の柴犬「モミジ」の毛です。
白に近い生成の毛を使ってます。

ワイヤでのリビングも省略して、スレッドでターキーを抑えてます。

なるべく材料の種類が少なくて、気軽に巻ける、そして釣果もあればなおの事良い。

2022/12/02

鳥海山 純米大吟醸 原酒

 久しぶりの投稿であり、久しぶりのお酒。

相も変わらずお酒だけは飲んでいますが、外で飲むことは減ってしまいましたね。

もちろんコロナの影響なのですが、生活スタイルが変化してしまった、それは感じます。

本日の2件の打合せの間に時間が空いてしまったので、これまた久しぶりに新宿伊勢丹を覗きに。

好きな器や調理道具、家具売り場、様子だけ見たい食品売り場、そして日本酒売場と。

日本酒売場には秋田の天寿酒造の方がPRに来られていたようです。

伊勢丹の売場ということもあるのでしょうが、天寿酒造さんの中でも非常に貴重なものであろう「古酒」や「貴醸酒」なども並べてありました。

伊勢丹でなら購入される方もいらっしゃるでしょう。

一方、私は「御自宅用」ですからね。

けれども、久しぶりに磨いた米から作られた「純米大吟醸」を買いました。


生原酒なので「要冷蔵」、これも久しぶり。















良いお酒です。

大吟醸ということもあり四合瓶で二千円程はしてしまいますが、素直な味わいの逸品。

余計な「華やかさ」も無い、つまり「うるさく」ありません。

和食洋食を問わず、食べながら飲むにはベストに近いと言えるのではないでしょうか。

一方、一度口に含むと口の中を支配する強さも有り、なかなか面白いと思います。

試しに「あたりめ」と合わせてみました。

「絶対無理だ」と思っていたのですが、難無く許容。

キャパの広さを実感できます。

せっかく冷やしておいたのですが、燗にしてみたいと思ったほど。

後ほど試してみたいと思います。


2022/07/27

鰹節

 子供の頃、確かおばあちゃんの家で鰹節を削った記憶があります。

私の実家では鰹パックでした。

鰹節をちゃんと削りたいという思いから、メルカリで購入してしまいました。

色々出品されている中で、京都の有次のものを。

包丁の世界では「西の有次、東の正本」などと言われます。

私はどちらの包丁も所有していませんが、これは「ブランド品」にしてみようかなと思い。


分解すると、このようになります。
もちろんメルカリの中古品ですから鉋などには使用感があります。

箱の底にはヤニがありますが、これは桧の樹脂です。

トレー(というのか)の底板は桧なのですが、かなり油が乗っている感じ。
ここから油が出たのでしょう。
実際、桧の香りが物凄い。

刃物屋の有次の「刃」はどうかというと、錆びはそこそこ有りますね。
いずれにしても手入れ要です。

表向きは綺麗そうなのですけどね。

見てくれの汚れを落とします。
本体はラッカー塗装(フェンダーのギター同様)でしょう。
燃料用アルコール(メチルアルコール)で拭きます。
脱脂力が強いですし、多くの有機溶剤よりは対象へのダメージが少ないです。
そして針葉樹特有の「ヤニ」も落とせます。

一番の要である「刃」は抜いて磨きました。
スチールウールで全体の錆落とし、そして刃を研ぎ直し。

早く鰹節を削りたいという気持ちもあり「そこそこ」の手入れで済ませてしまった感はありますが、削るのには問題ないところまで研ぎました。

よくよく見ると、箱の鋲が浮いているところもあります。
ゆくゆく直して行きましょう。

ネットで注文したにんべんの枯節がとどきました。

削ります。
少し厚いでしょうか。

鉋を調整します。
本当は鉋の調整のために木槌を購入しようと思っていたのですが、我が家に有った木材の端材で十分でした。
刃をほんの少し動かすには、木槌だと重すぎる気がします。
軽い端材で鉋を叩いて調整。

薄くなりましたね。
しばらくはこの状態で行こうと思います。

そして鰹節の削った部分、美しいですね。











日々の楽しみが増えました。

2022/07/18

2022年の梅干 その2(白加賀)

 結局今年も白加賀を漬けることにしました。

今年は遅れてしまったので群馬産でなく宮城産を10kg。

まだ青梅ですので3日ほど追熟しました。


もう少し赤みが出てきてからの方が良いかもしれませんが、洗っちゃいます。
水に入れた梅は産毛の効果で透明に見えます。
毛鉤作りの参考になりますね。

我が家の常滑焼の甕、3号、4号、5号、8号を総動員すると合計20kgの梅を漬けることができます。
しかし現在、8号以外のそれらは過去の梅干の熟成に使用中。
今回10kgなので8号(8升)だと少し足りない。
2号の丸甕を併用すれば何とかなります。
しかし今回は甕を新調しました。
常滑焼の甕で漬けたいという気持ちはありますが、10kgの梅と重石で20kg超、さらに8号甕でさえ8.5kgもありますから30kgくらいの重量になります。
こうなると移動することさえ困難です。
やはり軽量で割れる心配がないというのは助かります。

10kgの白加賀を入れて2.2kg、3.5kgの常滑の重石。
さらにトンボの5.5kgの重石(今回新調)を入れました。
粗塩は1.9kg(19%)にしてます。

入りきっていませんが、少しすると梅酢が上がってきますからフタをすることができます。
この容器、巨大なタッパーのようなものですからフタも密閉性があって非常に便利。
1斗用の漬物袋も併用していますが、袋の上部を縛る場合は2斗用の方が良かったかも。

3日ほどで完全に梅酢に漬かった状態になりました。
5.5kgのトンボの重石は外して、常滑の重石のみに減らします。
なんとも良い香り、バナナのような桃のような。


















最近は雨続きなのでしばらくはこのままです。
この白加賀は紫蘇を入れず白梅干にします。

先日作った小梅は2号丸甕から1号切立ちに移動しました。
青梅から作ったからか、長野の竜峡小梅のおかげなのか、カリカリの食感で良い塩梅です。












2022/06/24

2022年の梅干

 コロナのせいなのか、色々と生活が変わってしまいました。

このブログも放置状態でした。


一応、毎年梅干は作っているのですが、今年はいつもの農家さんに白加賀梅を注文しておくのを忘れていました。

梅干は毎年作らなければならないと言いますし、どうしようかと。


今年はいつもの白加賀ではなく、小梅を少しだけ作ってみようかと。

それも黄色く熟すのを待たず、青梅の状態で。
























そして日の丸弁当の中央に輝くくらいの真っ赤なものを作りたい。
























右上の方にある大きな梅は小梅ではありません。
我が家の梅の木から採った梅です。
同じように赤紫蘇に漬かっていたにも係わらず、赤くなっていない4個。
これは花香実という種類の梅で、八重の桃色の花で自家受粉可能な品種です。
一つだけある大きめで赤く染まっているのは白加賀で、私が毎年農家さんから購入している梅と同じもの。
しかし我が家の木では、なかなか実がならない。
この白加賀は自家受粉できないので他の種類の梅(小梅や花香実など)の木がないと結実しません。
しかしまぁ、これほど染まり方が違うのかという事に驚きました。
残った梅酢は赤ワインのように真っ赤なのに。


















ようやく雨続きの天気も終わり、数日晴れるとともに気温も上がりそう。
今日から干すことにしました。


















真っ赤な小梅、さくらんぼのように綺麗です(我ながら、ですが)。
一緒に漬けていた赤紫蘇も干します。


















塩分濃度が高いので、乾燥させるのが結構大変なのです。
塩が湿度を勝手に吸いますから。

今年の梅はこれで終わりと思っていたのですが、やはり毎年の白加賀を漬けておいた方が良いのではなかろうかと。
いつもは群馬の農家さんから仕入れていましたが、もっと北の方なら残っているのではと。
ネットで調べると、宮城の農家さんがまだ白加賀を販売していました。
とりあえず10kg購入、やはり白加賀は漬けておきたい。
きっと継続は力になるはずです。