2013/04/28

蕗の青煮

スーパーで蕗を買ってきました。
蕗だって少し郊外に出れば自生しているところはあります。
しかしここは東京都でしかも23区内、先日の野蒜は採取しましたけれども、そう簡単には行きません。
しかも河川敷などの「私有地でない場所」となるとハードルは高いのです。
しかし、この時期(春先)には八百屋さんでも簡単に入手できるのです。

やはり青煮でしょう。
綺麗に翡翠色にできると(ついでに美味しいと)非常に満足できます。

まずは下準備、塩を振って板摺りです。
どんどん茶色い「あく」が出てくるのが判ります。



















そのまま沸騰した鍋に入れて4~5分、グツグツと煮ます。
少しやわらかくなったのを確認し、冷水に。
そして表面の皮(筋)を剥きますと・・・。

今回は綺麗な翡翠色になりました(と思います)。
カメラをiphone5に変えたので4Sの時と少し感覚が違う。
広角寄りになったようです。



















出汁、塩、みりんと少々の砂糖を煮立てた鍋にこの蕗を入れてひと煮立ち、一旦蕗を取り出してから蕗と煮汁を別々に冷まします。

冷めた頃、両者をもう一度合わせます。
煮汁に浸るよう、パイレックスの角型の器にしました。
ラップをして冷蔵庫へ。
冷たい方が美味そうだし。



















夜も更け、冷えた蕗を取り出します。
糸がき鰹と行きたいところだったのですがあいにくありません。
出汁用の鰹を千切りにして乗せました。

















ほのかな苦味のある蕗って、ビールだといまいち。
やはり日本酒でしょう。
冷えた蕗と燗のお酒がベストマッチではないでしょうか。

2013/04/21

野蒜

野蒜を採取してきました。
「のびる=野の蒜(ひる)」なのですが、私は子供の頃から「のびろ」と呼んでいました。
山菜が望めない平野でも、この野蒜ならば結構自生しています。
採取も簡単だし、ついでに美味しい野草です。
今月初旬にも取りに行ったのですが、その頃よりも鱗茎部が大きくなっている気がします。
これは表面の薄皮を剥いだ状態ですが綺麗でしょう。

















その薄皮の下には新しい鱗茎が出来初めていました。

















この野蒜、かなり生命力が強そうです。
勿体無いので、植木鉢に入れてみることにしましょう。
育つかな?

大きめのは味噌(マルコメしか無いですが)を付けて。
大蒜(にんにく)や葱よりもクセは無いと思うのです。
言ってみれば「爽やかな辛味」という感じです。

















小型のと、茎と葉は炒め物にします。
玉葱と同様、炒める事によって甘みが出ます。
今回は味噌と醤油、味醂、酒、出汁、そして子供達でも無理なく食べれるように少々の砂糖で。
さらに秋田のレシピを取り入れ豚バラと一緒に。

















さらに茎部分は薄切りにして味噌汁や冷奴と一緒でも良し。

野蒜は三月からせいぜい五月までしか食べれないでしょう。
せっかくの旬ですし、食べないと!と思ってしまうのです。

先日は四谷の太平山酒造の店で、この野蒜を天麩羅で頂きました。
太平山酒造といえば秋田ですから、ハタハタ(ぶり子いっぱいの)も。
秋田では野蒜は「ひろっこ」といいます。
雪の中から芽吹いたばかりの、鱗茎部分も大きくなっていないもの。
葉の部分も萌黄色なので今日の野蒜とは印象は異なります。
これも美味しかったなぁ。

もっと春先の伸びる前の状態を探し出せば、この「ひろっこ」の味を体験出来るかもしれません。
見つけ出すのが難しそうですが。

2013/04/20

甘強酒造の「四天王いっこく」

しばらく暖かい日が続いていたとは言え、まだ四月。
今日は冷え込み、各地で降雪もあったようです。

そんな日には燗が良いでしょう。
愛知のお酒、甘強酒造の「四天王いっこく」です。
























こちらの蔵元は文久2年(1862年)にみりん造りをはじめたのが創醸とのこと。
米焼酎も醸造しておりますし、社屋は国の登録文化財に指定されているそうです。
「いっこく」とは頑固者という意味だそうです。
























HPでは酒米は五百万石・夢錦の60%精米、日本酒度+5.0となっていますが、瓶に添付してあった説明書では五百万石・祭晴の60%精米、日本酒度+1.0となっています。
酸度も1.4から1.6に変わっていますので、少し方向性を変更したのでしょうか。
ぬる燗が良さそうですが、ひとまず常温。
ふむ、濃醇で旨口との事ですが意外と控えめ、しかし燗映えしそうな気がします。
続いてぬる燗に、こちらの方がまとまるなぁ。
鰤とか肉のような、こってりした肴でも行ける感じ。
さらに温度を上げてみますと、少しバランスを崩す気がします。

この酒はぬる燗がベストです。
温度は、もっと細かく試しても良さそうです。
つまり温度によって、かなり変化してしまう酒だという感じなのです。
ベストの温度を見つければ、とても美味しく頂ける、意外と神経質な酒なのだなと思いました。

2013/04/18

大義

最近書いていませんでした。
久しぶりです。
スマートフォンの世界でのニュースです。

成長に陰り…焦るサムスン 「やらせ」でライバル中傷が発覚
韓国のサムスン電子が、ライバルである台湾の電子機器メーカー、HTCのスマートフォンなどについて、アルバイト学生を雇い、ネット上に「誹謗(ひぼう)中傷」を書き込ませていたことが発覚した。
台湾の公平交易委員会(日本の公正取引委員会に相当)が4月17日までに、調査に入った。
スマホ市場で快進撃を続けるサムスンだが、HTCを筆頭とする台湾や中国の新興勢力が猛追。
成長に陰りが出ており、その焦りが、“ネガティブキャンペーン”につながったとみられている。
(2013年04月18日 産経新聞より抜粋)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130418/its13041811110000-n1.htm

誰でも自分が「汚い」人間でありたいとは思わないでしょう。
まず自分自身がそれを良しとしないでしょうし、他人からそう見られる事も恥じるはず。
こうした考えを全ての人間が抱いているはず、という前提で社会というものが成り立っている。
しかし「他人から汚い人間だと見られる事」がないだろうと考えた場合はどうでしょう。
「自分自身が良しとしない」という自制だけが唯一残された理性です。

ネットの世界では誰もが匿名で意見を述べる事ができるという事こそが一つの利点である事は確かです。
しかし匿名の世界だからこそ、そこで書き込んでいる自分自身を「自分ではない」と錯覚する事も可能なのかもしれません。
個人が大多数を装うことも出来るし、別人になりすます事も出来る。
さらに遂行したい大義なんてものががあれば、なおさら自身の倫理感を捨て去る事など容易でしょう。

台湾のHTCになんとしても勝ちたいという大義が先行しまくったサムスンなのでしょう。
もう既に「汚い」事をしているという感覚は無いはずです。

そしてこれも先日のニュース
YouTubeに自称日本人の「ボストン・テロ祝福動画」がアップ、"韓国人のなりすまし"と疑う声多数
(2013年04月16日 Aol Newsより)
http://news.aol.jp/2013/04/16/boston-terro/

事の真相は判りません。
しかしテロ事件の重大さはもちろんですが、このような行動を取る感覚は一般人には理解不可能ですね。
ここに先にも述べた「匿名性」と「大義」が見え隠れします。
自ら顔を出し、パスポートを見せた上での行いであれば、その主張に同意せずとも納得するでしょう。
この人物は、まず「自分は日本人だ」とした上でこの様な動画をアップしました。
一方で顔も隠し、これ以外の自分の身元は隠している。
もし日本人が同じ行動をしたとして「自分は日本人だ」とだけ名乗り、この主張する必要があると思うでしょうか。
明らかに自分の主張ではなく、日本人ならこうする(あるいは、こうあるべき)という大義が先行していると考えてしまいます。

他人を貶める事によって、自分が上に行った様に感じる感覚。
けれども、それは当人の狭い世界の中でのみ、世間の評価は下がるという事を理解すべきです。
もちろん、その世界の広さを理解する事が出来ないからこそ、躊躇無くできる愚行なのでしょうけれど。
恥ずべき行いであり、感じるのは「哀れみ」だけです。