2013/11/24

多摩川

自転車で多摩川に出かけました。
本日は宿河原の堰堤を目指します。


















堰堤下のプール(とは言うものの浅い)はコイばかりです。
岸側には魚道があり、これが現在の多摩川の鮎の溯上の復活を担っています。


















そもそも昔は多摩川でサクラマス漁も行われていたそうです。
溯上を阻む堰堤の建設や護岸工事、そして最も大きく影響したであろう水質汚染の為か、サクラマスや鮎どころか殆ど魚の住めないような川になってしまった多摩川。
それが今、「昔のまま」ではありませんが、様々な生き物達の棲む川になっています。
特に鮎の溯上の状況はこの魚道の整備の影響か、順調に回復しているとの事。

私が期待したいのはやはりサクラマスです。
過去、漁ができるほどサクラマスが居たという事は多くのヤマメ、それも降海型(これは遺伝子的に河川残留型と異なるのか、環境に合わせて変化するのか謎です)が存在したという事です。
しかし堰堤のせいなのか、水質汚染のせいなのか、多摩川のサクラマスは絶滅したわけです。
もちろん上流域のヤマメは放流もある為か、なんとか残っていますが。
しかし本来は海へ下ってサクラマスとなり、生まれた川に戻り子孫を残すという遺伝子を持ったヤマメです。
ヤマメは確かに海に下りずとも繁殖できるとは言え、それは本来の形ではなくやむを得ず海へ降りれなくなった場合でも産卵を可能にするように適応、進化しただけなのかもしれません。

しかし今日の鮎の溯上の復活を見るに、状況的にはサクラマスの復活もあり得るのではないかと思うのです。

何年か前に子供に付き合い二子玉川でサケの稚魚の放流イベントに行った事があります。
稚魚はおそらくシロザケだったと思います。
けれどもシロザケはもともと多摩川に生息しない魚、やはり多摩川に上るべきはシロザケではなくサクラマスだと思うのです。

多くのメスのヤマメが銀毛化し海や河口に降り、巨体となって奥多摩や秋川に溯上し、山に残ったオスのヤマメと自然繁殖できるようになったら素晴らしいなぁ。
実際に試験的に銀毛化したヤマメの放流も行われているようです。

鮎の溯上を目的として整備された魚道ですが、目的とは別の魚たちにも変化が生じるはず。
何年か(何十年か)後には「昔のような」多摩川になっているかもしれません。

堰堤を後ににし、少し上流側の川原に出てみました。
奥の本流の手前に浅いプールがありました。
日も傾いてきてユスリカのハッチが始まったのか、オイカワらしきスーパーライズが始まりました。


















このオイカワを狙う大物が来ていないか?という事に集中して見ていたのですが判りません。
今日は竿を持ってきていませんし、ただひたすら眺めているだけ。

2013/11/23

エビフライ

今日も近所の善福寺川を愛犬マイオ君とお散歩しておりました。




















善福寺川は護岸が高く、とても自然の川の面影はありません。
それでも様々な生き物達の生活場所となっています。

下を覗いてみるとカモ達が。




















雨の日以外はこのように僅かに岸もあるのです。

そして、このような小さな岸にはある特徴があります。




















IPHONEの写真なので広角すぎて判り辛いですが、アメリカザリガニの残骸が残っています。
恐らくカラスだと思います。
以前目撃した経験では、カラス達はザリガニを捕獲すると自分一人(一羽)のみが居られるような狭い場所に移動し、ハサミなどの硬い部分以外を食べているようです。
狭い場所にわざわざ移動するのは、他のカラスに横取りされない為だと私は思っています。
ゴミを漁る姿だけが印象的なカラスですが、こうして狩をしつつ野生の鳥らしい事もしているのですね。
そして、かつてはウシガエルのエサとして移入されたアメリカザリガニが、多くの生物の食料になってもいるのです。

季節は秋ですから、善福寺川も水源である善福寺池の落ち葉が沢山流れていますが、このザリガニの赤は落ち葉の赤と異なり結構目立つものです。

そんな事を考えていましたら、ふとサクラマスやスティールヘッド、サーモンには赤や紫のフライが効くという事を思い出しました。
サケやマスが溯上する際には、体内に多量の「アスタキサンチン」を蓄えており、それはサケ、マスの身の赤色の色素でもあります。
このアスタキサンチンはサケ、マス類の魚体そのものに持久力を備えさせる事に加え、産卵の際にはその卵(筋子、イクラ)にそれを受け渡すべき大切な物質なのです。
元は藻類や植物プランクトンのみが合成できるのですが、食物連鎖によって甲殻類(エビやカニ)に大量に含まれている物質です。

そう考えると、サケやマスが海(または湖)に下るという行為は、大量の甲殻類を食べることによって子孫にアスタキサンチンを残すためなのではないか?とも思えてしまいます。
つまりエビやカニは彼らにとって重要な食料なのではないか。

面白い事に、こんな事を考えた後にウェットフライのパターンを眺めると、いままで昆虫のイミテーションであると思っていたフライパターンが実はエビとして魚たちが認識しているのではないかと思えてくるから不思議です。
シルエット的には、丁度後ろ向きにエビ泳ぎしている様子にも見えます。

そんな訳で、エビをイメージしながらウェットフライを作りたくなりました。


















左:シルバー・スージー(Silver Susie
Hook : TMC7999 #6
Tag : Gold tinsel
Butt : Scarlet (orange) seal's fur
Tail : Lemon wood duck
Body : Gold tinsel ribbed with gold wire
Hackle : Silver pheasant 
Throat : Silver pheasant
Wing : Silver pheasant quill

日本全国、上流域から河口域まで幅広く生息する「スジエビ」をイメージしています。
我が家で飼育している金魚(体長7cm程)が一緒に水槽に入れていた体長4~5cm程のスジエビを頭から飲み込んでいました。
当然胃の中に入りきらず、しばらくは口からエビの尻尾が飛び出た状態で泳いでいましたが・・・。

シルバーフェザントのフェザーはボディハックルに巻くにはストークが硬い。
スペイコックのグリズリーの方が良いかもしれません。
けれども、この白と黒のコントラストが欲しかったのは確かです。

右:マッカーチン・クロウフィッシュ(McCartin Craufish)
Hook : TMC7999 #6
Tag : Silver  tinsel
Tail : Gold pheasant tippets & Peacock sword herl
Body : Peacock herl ribbed with silvertinsel & wire
Hackle : Spey  cock / red 
Throat : Guinea fowl / red
Wing : Mallard / red

「アメリカザリガニ」のイメージです。
このような赤染色のマテリアルばかり、他には殆ど使わないでしょう。
多摩川の中流域でバスや雷魚、ナマズには効くのではないでしょうか。
もしかしたら、サクラマスにも・・・。

ボディにピーコックハールを巻きました。
赤の中に青を混在させたいと思ったからです。
現在はピーコックスォードのテイルだけで十分かもと思い、シルバーのフラットティンセルに変更しています。
ピーコックブルーネックのチークを追加しても良いかもしれません。

ともに大きめのサーモンフックに巻いたフライ、大物狙い臭がプンプンです。
使う機会を作らねば。