2015/02/22

空豆の花

昨年の秋に鉢に蒔いた空豆に花が咲きました。


















蒔いた種は全部で七つ、全て順調に育っています。
初夏に収穫して食べるという事も目的の一つではあるのですが、採種も一つの目的です。
鉢栽培で自由に根を張れない空豆は次の世代にどのような遺伝情報をもたらすのかが興味の沸くところです。
この優良でない環境にいじけて弱い遺伝子になっていくのか、逆に順応して過酷な状況でも育つ空豆になるのかというのが見てみたいのです。
もちろん薬は使っていませんし(冬ですから害虫に怯える心配もありません)、肥料も与えません。
底土に鹿沼土、黒土の上の表層に腐葉土、そして稲藁。
しかし鉢植えだとリンやカリ等のミネラル類が不足すると考えました。
庭や公園の土壌を観察すると小さな虫だけでなくカワニナのような細い貝まで生息しているのを確認できます。
こういった動物たちの外骨格や殻を形成しているミネラル類が自然界では常に供給されるのでしょう。
私の空豆の鉢にもミミズ(釣餌の残り)は投入していますが、自然界の生物の多様性とは程遠いところ。
そこで考えた末、唯一与えたのは味噌汁の出汁に使った残りの煮干をオーブントースターでカリカリに焼き、それを擂り鉢で粉にしたものを与えることにしました。

根元には同じ頃から育てているカブを植えています。


















過酷な環境とはいえ豆類である空豆君ですから、土壌中に窒素固定根瘤菌を増やしているはずです。
混植によってカブが良く育つかどうかを試しています。

いくつかの小さなプランターにもカブを植えています。
























こちらはやっと芽を伸ばしてきた九条ネギと混植しています。
できれば色々な条件で育ててみたいのです。

たったこれだけのサンプル数なので、生じた結果が真理であるわけはありません。
しかし感覚的に何かをつかめれば幸いと言うべきか。
年に一回しか出来ない事ですし、ましてや様々な条件を試す場所もありません。

そう考えると農業におけるノウハウの蓄積というのが、いかに大変なことなのかが判る気がします。
基本的に年に一回の実験しかできないし(実験している暇も無い)、その結果から方向性を見い出すというという事は博打みたいなもの。
私の場合農業で生計を立てているわけではありませんから、生産性など気にせず、思い立った実験をするだけ。

趣味の園芸という事です。

2015/02/13

神楽坂 酒ト壽

お手伝いしていた店が開店しました。
神楽坂を上り、毘沙門天前の路地(巾1m程)を右に入った判り辛い場所。
昨日もレセプションで来店、本日はオープンという事で二日連続です。

私としても久々に和食の酒場の仕事なので期待してます。
お通しは車海老。
一杯目は生ビール(東京ではあまり飲めないアサヒのマルエフ)なので揚げた頭の方を。


















ピクピクする尻尾を食べる前に石川の遊穂を燗でお願いしました。


























刺身は5~6種類くらいあったでしょうか、その中から鰆を。


















それから海鮮コロッケ。
酒場を感じさせる皿ですね。


















お隣に仕事でのお付き合いのある方が座ったので、お互いに色々試してみます。
一人だとすぐに満腹になってしまいますからね。
カスベ唐揚げとクエの煮凝り。




































お酒は岐阜の達磨正宗を。


























その後も何皿か、毛蟹のコールスロー、甘海老の塩辛など。




































さらにお新香と。


















お酒に関しては幅広いラインナップなので肴に合わせてあっちこっち行けます。
岩手の酔右衛門、奈良の睡龍、福島の口万(ろまん)、高知の南。
いろいろ飲んでしまいました。


















飯田橋で途中下車して神楽坂を上る事が多くなりそうです。

2015/02/11

群馬泉 超特選純米

先日、西日暮里から谷中あたりを歩いていて、たまたま入った酒屋で買ったお酒です。
群馬泉の超特選純米。
外で飲んだことはあったかもしれませんが、一升買ったのは初めて。


























群馬のお酒は赤城山の本醸造以来かもしれません。
最近は関東のお酒に目が行く事が多いかな。

山廃、しかも大吟醸レベルの50%精米歩合。
アミノ酸の多い旨口な部分と、清らかさの折り合いは何処にあるのか。


























酸度1.7とありますが、それほど酸度を強くは感じません。
味が強いのでしょう。
山廃らしい濃厚さ(とは言え押し寄せて来るものではない)、精米歩合からなる辛さなのか、ドライな感じ(幾分苦味とも感じる)とが良いバランスなのか、嫌味な主張はありません。
ふんわりした感じは微塵も無い。
味わっていると、複雑な味が幾重にも感じられる気がします。
寡黙に持ち味を醸し出して来るような感じ。
男っぽい、高倉健(イメージ)のような酒かな。
美丈夫に感じる女性的なイメージ(私個人の勝手なイメージです)とは対極にあるようです。

そんな酒ですから、燗でも当然美味しくてどんな肴にも合うでしょう。
しかしこの酒の本来の味を味わおうとするなら、常温の方が良いかも。
アイラのウイスキーを飲んでいるようなストイックさを感じさせるとでも言いましょうか、珍しい日本酒です。

2015/02/07

三河屋綾部商店の麦麹

夕方、お茶の水駅から神田明神に。




















神田明神にお参りに行った訳ではありません。
随神門の前で一礼だけ。

今日の目的は門の手前にある「三河屋 綾部商店」です。
















麹を買うためにきたのですから、こちらのページをリンクしておくべきか。
大鳥居のすぐ脇には、同じく麹で有名な「天野屋」さんがあります。
















先日も二升の味噌を秋田の米麹で仕込みました。
まだ大豆が1.2kg残っていますし、麦麹の田舎味噌を作りたいと思ったのです。
今日は綾部商店で麦麹を1kg、甘辛味噌を500g購入です(これは普通に味噌汁で頂くため)。

帰り道、神田明神から湯島を抜けて御徒町まで歩きました。
吉池で鮭とばを買い、お酒コーナーを見て周ります。
今日はピンと来るものがありませんでした。
緑川」があったら買おうかな、とは考えていたのですが。

御徒町駅ガード下にある吉池の「味の笛」でちょっと休憩。
白鶴の燗でひとまず温まりました。
















買ってきた麦麹と味噌。
















味噌は明日にでも使ってみたい。
















出掛ける前に、すでに大豆1.2kgは水に漬けてあります。
今夜はこの麹で味噌を二升作ります。


2015/02/01

昇龍蓬莱 特別純米

先日も神奈川の泉橋酒造さんのお酒を飲みましたが、今回も神奈川のお酒。
大矢孝酒造の「昇龍蓬莱 特別純米」です。


























小さな銀のシールのラベルというミニマルなボトル。

大矢孝酒造さんと言えば、以前新橋の罠でも紹介した「残草蓬莱」があります。
ちなみに残草蓬莱は南部杜氏自醸清酒鑑評会で2012年首席、2013年も2位とのこと。

裏のラベルにも書いてありますように、燗が良い。


























辛口ですが、酸度ですっきりとさせる方向ではないようです。
神亀や竹鶴に感じられる強さがある一方、柔らかさも心地よい。
もちろん日本酒を初めて飲んだ人が「美味い」という酒ではないでしょう。


















寒い夜、カウンターの奥にこのボトルを見つけたら、思い出して一合を燗にしたくなるような。
その意味でも、この特徴のあるボトル(ラベル)は良いかもしれませんね。