2021/09/29

老眼

 ヤフオクで落札(即決価格だったので購入と言うべきか)した商品が届きました。


















フライは私が巻いたリッチウィドウ、サマースプロートTD2の#6サイズです。
この商品「ティペットスレッダー」との名称です。
この位置にフライをセット(内部にネオジウム磁石が埋め込まれているので、吸着して少々振っても落下しない)しますと、「カチッ」と良い塩梅で固定されます。

続いて溝にティペット(つまり釣糸)を差し込んで行く。

するとフライ(フック)のアイ(先端のリング状の部分)にティペットが通るという仕掛け。

上面を見ますとフライのアイが落ち着くように窪みが。
そして溝はそれより浅くフックのワイヤーの太さを考慮してあります。

底面を見ると深い穴、この奥底にネオジウム磁石が入っています。
この下駄の歯のような部分の大きさが気になる向きもありますが、この部分が無いとティペットを通す作業の際、しっかりとホールドできません。
非常に良い設計です。

素材はABSの射出(インジェクション)成形でしょう。
シンプルな型とはいえ、それなりの投資が必要。
ましてや、このニッチな分野での商品開発ですから、勇気を必要とした事だったのが想像できます。

最近「ヤフオク」や「メルカリ」にフライフィシングのタックルやマテリアルがごっそりとまとめて出品されていたりします。
中には「引退しました」などと書かれていたりして。
私自身も感じていること、川や沢を登る体力の衰え、そして老眼です。
フィールドにおいても、まず老眼鏡どころかプラスアルファの拡大鏡がないとフライにティペットを通せない。
ましてやイブニングのような暗い状況ではまったくもって無理で、カディスピューパのフライに替えようと思いながらもアイにティペットが通らず、時間ばかりが過ぎてしまうことも。

iphoneやPCの画面が老眼鏡無しでは読めない私。
ですからフライを巻くときは、その老眼鏡にプラスアルファでこのような拡大鏡を着けています。










今回の「ティペットスレッダー」とやら、私のベストに常備したいと思います。

2021/09/26

ピーコックセッジ

 16cmほどの小さいピーコック(孔雀)のクイルがありました。

2ペアで「¥945 SANSUI」と書いてありましたので、サンスイで購入したのですね。

さらに、¥45ということは消費税が5%だった頃だという意味です。

昨日の「イエローサリーアメリカン」を巻いた後、SAWADAさんのTD3の#10を出していましたから、これで巻けるもの。











ピーコックのパターンと言えば沢田さんのパターンでしょう、ということで「ピーコックセッジ」を巻くことに。



巻いたウイングをレッグとして使うピーコックセッジとしては、少しウイングの量が少なかったかも。
まぁ良しとしましょう。

未だに判っていない事なのですが、このピーコックセッジのテイル、オレンジのハックルチップです。
私の解釈としてはグレートセッジの「小さなトッピング」と同様に「少し反り上がった」形状を良しとして考えているものですから、ハックルチップを水平にして、加えて表面を下にして巻いています。
そうすると一番綺麗な部分がトラウトに見えるという事もありますので。
沢田さんはどういう考えでテールを考えたのでしょうか。

2021/09/25

イエローサリーアメリカン

 持っている鳥の羽をゴソゴソしていましたら、黄色に染めたグース(ガチョウ)のプライマリークイルが出てきました。

30年以上前に買ったものだと思うのです。

今日はこれで何か巻こうと。

黄色のクイルなので「イエローサリーアメリカン(YellowSallyAmerican)」なんてどうでしょう。


















ボディはイエローのシルクフロスなのですが、今日は一工夫してみました。
サセックスのシルクフロスも入手が困難(いや無理)になってきました。
今までは「足りる」長さを予め切って「手」で巻いておりました。
必要量を巻いた後に残りをカットするのですが、これらは全てゴミなのです。
ですからボビンホルダーにセットすれば節約できる。
しかしながらボビンの側面にシールが貼ってあるサセックスのボビンはボビンホルダーにセットするとシールに穴が開いてしまう。
いや、サセックスのフロスなどはシールに何の表示も書いてないので穴が開いても不自由は無いでしょう。
それでも「シール」に穴を開けずにボビンホルダーにセットする事を考えたのです。

















手芸店で売っている「ホック」の部品を当てたのです。
こんなチープな材料で使い勝手がアップします。
やはりシルクフロスもボビンホルダーを使った方がストレスが無い。

この方法をシルクフロスだけでなくティンセルでも応用できないかと思案中。
何年か前にラガータンのティンセルが入手不可能になった時、我々はパニックになったと思うのです。
幸い「C&F DESIGN」さんが新規輸入元となってくれたので助かりましたけれど。

















いまいちです。
グースのプライマリーなのでパンパンという感じでしょうか。

もう一つ私が「これ便利」と思っているグッズを。
東急ハンズの文具売場で見つけたステンレス製のクリップです。

















トーキンコーポレーションさんという所のプッチンクリップという商品。


















この円形のポッチを押すと先端が開く構造。
これを設計した方は金属の性質を「肌」で判っている人なのだろうな、と思わせる逸品。

















「SAWADA」のフックの袋を纏めたり、色々使えるのです。










創意工夫、所さんの番組みたいですけど。


2021/09/18

クロウ(Crow)に苦労

 この時期、特になのかは判りませんが善福寺公園にカラスの羽が落ちているんです。

拾って臭いを嗅いでみたりします。

カラスの羽は「臭い」と言われるのですけれど、別に臭くないじゃない。

いや、私の鼻が鈍っているだけのことなのかもしれません。

買ったカラスの羽も所有しているのですが、あちこちに落ちているカラスの羽を集めます。

ウイングのクイルは勿論の事、ブレストフェザーやウィングカバーやらも。

帰ったら洗剤で洗って汚れを落とし、一旦乾かしてからやかんの口から出る水蒸気で高温消毒とファイバーの曲がりの復元をします。

カラス(クロウ)の羽を使うフライパターンは数多くありますが、沢田さんでさえ「クロウ」の代わりに「グースの黒染色でも可」と書いてあったり。

しかしクロウの羽は水に入れるとブルーに光るのですよ「カラスアゲハ」の羽のように。

これが染色の「黒」とは全く異なるところ。

これ、恐らく構造色というのでしょう。

特に空気中より水中の方がブルーに光るようです。

これもまた屈折率の関係だと思っています。

つまり善福寺公園で拾ってきたカラスの羽を洗っていたら、グースの黒染色とは異なるカラスの羽の輝きを知ってしまったという事なのです。

ですからカラスの羽を使ってフライを巻きたいという意欲が沸いたのです。


















購入したクロウの羽ではなく、拾ってきたプライマリークイルを使いました。
先にも述べたカラス特有の「ブルー」は羽の表側で生じます。
セカンダリークイルやテールもあり、通常ならばセカンダリーを使うのが羽の「表」を見せることになるのですが、今回はプライマリークイルを使いました。
プライマリークイルというのは普通は逆反りしていますので裏側の光沢の有る側を表面とするのが普通です。
しかしクロウのプライマリークイルのインナーベインは先端の方が「逆反り」でなく「純反り」なのです。
ということは羽の「表」を表面にして巻くことができる。
セカンダリーやテールも巻きました。
そしてこのプライマリーの先端部分も同様なのですが、結束力の無い羽なんです。
つまり巻くのが難しい。

クロウのウイングを使うパターンとして、一番巻きたかったのは「リッチ ウィドウ(Rich Widow)でした。
なに、このネーミング。
「Rich(裕福な)」「Widow(やもめ)」。
どういった経緯でネーミングしたのかは判らないのですが、少し気になる。

















この毛鉤は個人的な主観からすると「クロウ」のウイングのフライの中では最高の美しさを持っていると思っています。
何本か巻いたんですよ。
しかしながら、なかなか満足できるものが巻けない。










奥にガバナーなんかも巻いてます。

クロウに苦労してます(なんでも洒落にする必要ないとは判ってますけど、年代的にやってしまうものです)。


2021/09/12

アムハーストフェザント(AmHurstPheasant)のヘン(雌)

 忙しい、というよりも日々の仕事がある中で毛鉤を巻くモードに自分を持って行くのが難しい。

昨日の土曜日も少しだけ仕事があったのですが、今日は久々にバイスの前に座りました。


















幾つか巻いて(自分の下手さ具合にいらいらしながら)最後は先日のヤマドリの#10
自分を磨くためにスタンダードパターンを巻きたいという気持ちもありますが、このヤマドリのような地味な配色の名も無き毛鉤というのは使って楽しいという側面もあります。

地味な配色の毛鉤をあれこれ考えると、やはり雉のメス(ヘン)の羽が魅力的。
先日ヤフオクで入手したアムハーストフェザントのヘン、コンプリートです。











アムハーストフェザントと言えば、白を基調に赤、黄、緑、青が部位的に配置される派手な雄の羽はフライだけでなく様々なものに利用されています。

それに対して、この雌(ヘン)の地味さ。

しかしながら他の雉には無い「虎模様」が魅力的。

このウイングなどは今では貴重な羽となってしまったフロリカンバスタード的に使えそう(サイズは異なりますが)。

いまのところ防虫剤の臭いが抜けなくて天日干しやらをしていますが、落ち着いたらこれを使った名も無き毛鉤も作ってみたい。