2016/09/30

モダン仙禽無垢と花巴純米水酛

今日の二本はこちら。
栃木の仙禽(せんきん)と奈良の美吉野酒造、花巴純米水にしてみました。


























仙禽(せんきん)はお店で飲むのはクラシック仙禽が多いので、今回はモダン仙禽にしてみました。


























この「無垢」はモダン仙禽の中でも一番コストパフォーマンスの高い一本。
確かこちらの蔵も殆どを生酛(きもと)造りにしているはずです。
味わいは私の好みで、芳醇さと酸味の爽やかさがありながら綺麗にキレて行くタイプ。
仙禽さんはこの一本を定番商品にして行くようですが、確かに私の定番になりそうな一本です。

一方の花巴、先日はひらがな表示の「はなともえ」でしたが、今回は漢字表記の花巴。
つまり「酵母無添加」ということになります。
さらにこの「水酛(みずもと)」、蒸す前の生米を水に漬けて水を腐らし(そやし水という)一週間置いてから蒸した米をもう一度そやし水に戻す。
麹と水を加えて40日間、糖と乳酸菌を増やしながら酒母を育てるという方法。
そして醸される酒はというと非常に個性的です。
恐らく好みが分かれてしまうタイプなのではないでしょうか。
達磨正宗のような熟成酒のような味わいと酛の酒以上に強い酸味、そしてキレます。
私も一杯目でこれは好みでないと思ったのですが、四合ありますから何杯も飲んでいたのです。
慣れちゃいました、というか美味く感じるようになってしまいました。

ちなみに今回の二本、両方とも燗で美味いお酒です。
もちろん方向性は全く異なる二本なのですが。

2016/09/18

紀土と十水

今日の二本です。
ほとんど四合瓶での購入になりましたので、一度に二種類という場合が標準となっています。


























左は山形、加藤嘉八郎酒造の特別純米酒「十水(とみず)」です。



















甘味、旨み、酸味とも濃いお酒です。
しかし爽快さも併せ持っており後味爽やか。
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2015」で金賞受賞とのこと。

もう一本は和歌山、平和酒造の紀土の純吟、ひやおろしです。



















近年人気の紀土ですが、紀土らしい甘味、旨み、酸味があってキレが良い。
上記の十水と似た感想になっておりますが、今回の二本はまさに自分好みの二本なのです。
というより、最近は「酸味」を重視する方向になってきているからなのでしょうか。
よっぽどの事が無い限り、外れのお酒に出会いません。

こういうお酒の場合、燗にしても美味しい場合が殆どです。
十水も紀土もその例に漏れません。
でも面白いのは、燗にすると隠れていた味が出てくること。
先程「似た感想」と書きましたが、言葉で表現するのが難しい個性は当然あるのです。
これは私自身の語彙量不足ということもあるのですが。
燗にすると〇〇のような、という表現しやすい個性として見えてくる感じ。

外れのお酒が無い、どころか飲みたいお酒が次々と出現してしまうものですから、現在の日本酒の世界、大変な状況になったものだなぁと思うのです。

2016/09/16

夏の澤乃井

澤乃井の季節限定品(四~八月)を入手しました。
濃さは違えども両方ともブルーの瓶、夏酒らしくて涼しげです。
もうひやおろしの季節ですから、既に売切り商品というわけです。


























左は「夏ノ純米酒」、右は涼し酒(すずしざけ)、ともに精米歩合65%、アルコール度数13~14%ながら全く異なる味わい。

「夏の純米酒」はどちらかというと芳醇で甘味が、しかしながらさらりときれて行きます。


























一方「涼し酒」は微かな甘さと酸味が水に溶けている感じ。


























口の中で温度が上昇するとそれがじわっと湧き上がります。


























加水でしょうか、両者ともアルコール度数が低いのが上手く味わいに反映して清々しい。
ネットで調べてみますと酒米も「あけぼの」で同じらしいので酵母が異なるのかも。

ちなみに燗もしてみました。
「夏の純米酒」は甘さが上昇、悪くありません。
一方「涼し酒」は冷酒の場合と同様に酸味が、いくぶん苦味を感じるかもしれません。
やっぱり「冷ヤシテ飲ムト美味シイヨ」。

2016/09/10

美郷 緑 山の井

ひやおろしの季節です。
飲んでみたいお酒は山ほどあるのですが、懐具合と冷蔵庫と相談しながら。

三種類のお酒を入手しました。


























左から秋田の日の丸醸造、まんさくの花の限定品「美郷(みさと)」。



























私の好きな綺麗な酸味もあります。

中央は新潟の緑川酒造の「緑」。


























つい先日も緑川純米を飲みました。
この緑は緑川らしく綺麗な酒なのですが、微かに不二家ミルキーのような甘さというか香りが。

そして右は福島の会津酒造「山の井70」です。


























この山の井70は良かったですね。
実は店頭で60にするか70にするか迷ったのですが、低精米で敢えて出す方の酒に何かしら思いがあるのではなかろうと思ったわけです(60を飲んでないので判りませんが)。
「感じるままに飲んでください。」とありますので、ちょっと考えてしまいました。
これは燗でいける!
最近どうしても新政のお酒を比較対照としてしまう傾向があるのですが、たとえば亜麻猫陽乃鳥を燗にしてみると想像以上に美味しいのです(もちろん酸味のある酒で好みはあるでしょうが)。

そしてこの山の井70、燗がまた良いですね。
というより燗の方が際立つ気がします。
今後に注目したいお酒です。

2016/09/09

独り 酒ト壽

夕方独り飲みに出かけました。
最近家呑みが多いので、たまには街の空気でも感じたいと。
地元西荻でも良かったのですが、電車に乗って飯田橋まで。
駅から坂を登り、路地に入って酒ト壽に。
今日も暑かったですのでまずは生ビール。




















アワビ肝和とナス揚浸し(ヤマだったようです)。
空のジョッキの替わりに福井の九頭龍をグラスで。




















もう九月に入りましたが、暑い季節のお酒には和え物やお浸しがちょうど良い感じがするのです。
島根の出雲富士「純米秋雲(あきも)」を。


























少し変化を付けたかったのでホヤを注文。




















これには栃木のクラシック仙禽の無垢を。


























続いても生酛、島根の天穏の無濾過純米。


























やはり時代は生酛でしょうか、私も美味しいと思います。
それも様々な方向で個性が出て来ていますので「酒米」と「酵母」だけでは予想できない日本酒が今後増えていくのではないでしょうか。
生酛って米麹と米と水を混ぜた酛の状態で長時間(とはいえ約二日間)すりながら置くという工程ですよね。
先日も飲んだ新政の亜麻猫は当初は白麹酒母を使うところから生まれましたが、酛の段階つまり麹カビの働きによるデンプンやタンパク質分解の段階で生まれる副産物が独特の風味を産む重要な要素なのかもしれません。
少し前に「塩麹」が流行しました。
私自身も味噌造りしましたが、味噌も麹と塩と大豆から成るもの。
麹の潜在能力というのは思っているよりも凄いのかもしれません。
そもそも日本においては酵母を培養するよりはるか昔から種麹屋さんが麹の培養を始めています。


そんな事を考えながら飲んでいたら「これ食べてください」と穴子を。
ご馳走様です!




















酒ト壽、本当に良い店になりました。
金曜日の今日もふらりと来たにも関わらずカウンターに座れます(予約取らないんです)。
「酒場」はこうあって欲しいもの。
もちろん私が席を立つ頃はカウンター席も全て満席でしたが。

実はこの後、神保町のビストロアリゴにも顔を出しました。
独りですし、いつもの通りカウンターなので難なく入れました。
独り呑み、楽ですよ(負け惜しみでなくて)。

2016/09/02

ボウモア

おいらはアイラ好き。
最近は日本酒の感想ばかり書き込んでいたのですが、ウイスキーだって飲んでいます。


























もう何も要りませんね(チェイサーも)。


























ブルックラディラフロイグアードベック等と比較して色が濃いような気がします。



















ベロベロになりながら「時の過ぎ行くままにを俺にも弾け!」などと言ってみたいものですが、私の傍らに居るのはサムではなく、ソファで仰向けに寝ているマイオ君だけでした。