2019/01/25

怖い電車

























かれこれ15年以上も痛勤電車を利用する生活から離れています。
当時はきっと慣れというものが可能にしていたのでしょう、今は駄目ですね。
打合せ等は出来るだけ午後に設定するようにして、避けるようにしています。

どうしても午前9時からの会議に出席せねばならず、久しぶりに満員電車に。
それも1台は「これ、無理だろう」という状況だったのでやり過ごし、次の少し空いている電車に乗りました。
最近の電車が以前より疲れると思う理由は、車内で映し出されている映像による広告です。
見たくないと思い視線を別の場所に移しても、スマホの動画画面やチラチラと動きの速いゲーム画面が目に入ってきます。
私はというと動画も見ませんし、ゲームもやらないので、これらの画面に全く慣れていないのです。
ついでにフェイスブックやツイッター、インスタもしてませんので、電車の中でスマホを見る機会も無いという環境(老眼もあって見たくもないという理由も)。
ですから電車内のマルチ画面状態は本当に苦痛なのです。
空いている時間帯の車両の開かないドアの脇で外を眺めているのが一番苦痛が無い状態(遠視だということもあるでしょう)。

停車する度にどんどん乗客が増えて奥に押し込まれます。
ふと、誰かが私の足を踏んでいるのに気づきました。
退かそうとしないので、気づいていないのかと思い、窮屈な足元の中で移動できる位置に足を動かして誰かの靴の下から脱出。
すると「カシャ」というスマホのシャッター音。
誰かがスクリーンショットでも撮ってるのだろうと思ったのですが、私の左視野の隅のスマホの画面に私の写真が映っているではないですか。
そのスマホの持ち主は私の左斜めに立っている女性で、自分の肩越しに画面側のカメラで撮影したのでしょう。
おもむろにその写真にコメントを付けてアップしているようです(私は眼鏡を掛けて無いので何を書いているのかは判りませんが、さすがにこれがどういう状況か気付きます)。
さらに運悪いことに普段はデイパックしか使っていない私なのですが、本日は資料のファイルが多かった為、グレゴリーの3ウェイバッグをブリーフケース状態、つまり手下げ状態にして使用中。
「何で人の写真を撮っているんですか」と言うのが筋だとは理解するものの、この状況ではどう足掻いても100%悪者、犯罪者にされるでしょう。
その女性は2駅区間だったかを乗車した後に降りて行きました。

その後、再び電車が走り出すとドア付近で「肘が胸に当たるんですけど!」という女性の声が静かな満員電車の中で響きました。
その声は、どうやらドア脇に立っている女性(先程の女性とは別人)に背を向けてスマホを見ている男性に向けられているようです。
男性は無言のままスマホを操作しています。
強心臓の持ち主であり、私と違いこの様な車内トラブルに慣れているようです。
女性はその後も何か聞き取れない言葉を発していましたが、車内の乗客が新宿駅ですっかり入れ替わり静寂が戻りました。

私の写真を撮った女性は「勘違い」なのか「当たり屋」なのかは勿論判りません。
しかし一連の流れを見て感じたのは、電車に乗ってきた段階で彼女は心の中のナイフを既に鞘から抜いている、そして敵がいると思ったら問答無用でそれを刺そうと考えている心の準備。
つまり車内に入ると彼女を襲うゾンビなのか化け物が居て、そいつは必ずやって来るという予想があり、その化け物を攻撃する武器として「拡散」波動砲(古いのは判ってます)を常にエネルギー充填120%にした状態にしているとでも言えばよいでしょうか。
きっと彼女達にとって職場や友人関係でさえ、周りの人間は自らに危害を加えてくるゾンビか化け物でしかないのでしょう。
こんな世界に生きていたら精神が崩壊して行くのも容易に想像できます。
常にストレスの中に居る状況だと思うのですが、そのストレスを作っているのはもしかすると本人の脳の中なのかも。

しかしそういった背景に同情してもいられません。
こちらが犯罪者にされてしまうのですから。
私の立場では今回の出来事は「勘違い」ではなく「当たり屋」だと認識しています。
「当たり屋」と言えども、隣国で頻発するような金銭目当ての当たり屋ではない。
敵を「拡散」波動砲で撃破するという「精神勝利」を得ることの快感、ゲーム的な勝利が目的なのではないかと考えるのです。
もちろん本人はゲームなのではなく、脳内では本当に敵に襲われているのでしょうけれど。
動機として触られたかそうでないかはあまり問題でなくて、彼女達が「触られた」と思った瞬間「敵襲来!」であり、自身の正義のための攻撃理由が生じます。
おそらく本人は自分の中の正義で戦ったつもりなのだと思います。
そして恐らく、人生が常に戦闘待機状態。
加えてSNS用のネタ作りという理由もありそうです。
このブログもネタが無いと、かなり滞りますから。
「いいね」ではなくても「えー、最低!」とか同情的なコメントが期待できます。
そんなコメントを書いてくれる知人も、仮に彼女とイザコザが生じた場合、自身にも何をされだろうか?という恐怖を覚えるのではないでしょうか。

最近スーツ姿でリュックというスタイルをされている方を多く目にします。
スーツの裏地が摩擦で早く痛むのではないだろうかと思っていたんです。
しかしスマホを操作する為の両手が空くという理由は判ります。
駅のポスターで「電車内ではリュックは前に抱えて」とあります。
もちろん混雑した車内で場所をとるという理由はあるでしょう。
私の考え過ぎかもしれないのですが、これは電車内での「冤罪回避」を鉄道会社が暗に伝えているのではないかと思ってしまいました。
そして先のスーツにリュック姿、便利という事だけでなく「自己防衛」という意味もあったりして。
私自身が痛勤電車を利用しないので今回のような状況に対しあまりにも疎く、世の中の男性ビジネスマンは既に「防弾チョッキ」としてリュックを使用しているのかもしれませんね。

数年前に「草食系男子」なんて言葉が流行りました。
今回の経験を踏まえて考えると、理由の一端が見えて来るような気がします。
こんな事を体験したら若い男子にとっては、女子なんて「恐怖」の対象でしかなくなりますよ。
私も本日、帰路の電車(昼前の下りの中央線)では車内に立っていたのですが、到着駅毎に乗客が入ってきます。
女性が隣に位置すると場所を変えて逃げましたよ。
一方で女子にとっても脳内では男子なんてゾンビか化け物なのでしょうね。
出生率が下がるのも、ある意味では当然の事かもしれません。

今回の教訓「触らぬ神にも祟りはある」いや神ではないですね。
このネット社会なのか何なのかは判りませんが、何かが人間を鬼や悪魔にしている気がします。
そして鬼や悪魔とて自分の倫理観や正義の中で生きているんで、お互いの論理は共有できません。
けれども今回は「不愉快」なことはもちろんなのですが、病んでいるというか「狂気」を感じました(ピンクフロイドの狂気は好きなアルバムですけどね)。

満員電車は乗らないようにします。
男性専用車両をJRに作ってくれと叫んでも無理でしょう。
朝の打合せだったら、前日の夜に近くのホテルに泊まった方が良いかも(都内なのに)。
自分の身は自分で守らねば。

2019/01/19

土曜日 壽

土曜日なのですが、自営業に週末はありません。
新しい店のレイアウトをしたいのですが、気分を変えたい。
そこで神楽坂の「酒と壽」に出かけました。
壽でお酒を飲みながら仕事、贅沢なのか否か判りません.
先日あるデザインコンペで入選が決まったので、自分へのご褒美でしょうか。
中野の「PEP」では度々ノートPCを起動していたのですが、壽で仕事をするのは初めてです。
カウンターにコンセントが無いので、電源も持参しました。
5時ちょっと過ぎでしたのでガラガラかと思いきや、土曜日は4時から営業なのもあり、カウンターも半分くらい埋まっているのでした。
























花の香は熊本のお酒、一昨年前でしょうか、熊本に出張したときに呑んで記憶に残っていたので。


















煮こごりとアジフライを頼みました。
この時点では、まだ仕事を始めてません。
タケちゃんが飲めという今日のお酒はこれです。
























ちょうど今、家に「ど辛」がありますけれど、こいつは大吟ですからね。
さらにこれもどうよと。










































今日は閉店まで居ようと思ってますので、次々と。










































からすみを貰っちゃいました。






































カウンターに出していたPCがやっと写りましたが、一応3時間くらいはレイアウトをしていたと思います。
もう、閉じてますけど。
























今日は一番奥のカウンター席をオーダーして、結果6時間くらい滞在していたでしょうか。
最後は燗だったのではないかと記憶しています。
























やはり自分が造った店で、カウンターに座って人間模様を眺めているのは楽しいです。

今日やるべき仕事、レイアウトも方向性が見えました。
遅い時間に店を出て、近くのニコ・チェルシーにも顔を出しました。
閉店後の片付けをしている時間だったのですが。
Sさんが片付け終わったら飲みに行きましょうと言うので、彼の贔屓のバーを2軒ほど。
確かに飲みすぎだとは判っていますが、良い夜でした。

2019/01/14

山本 ど辛

新年になってしまいました。
既に半月も過ぎてしまって。

久しぶりに三ツ矢酒店でお酒を買ってきました。
























山本の「ど辛」です。
本当は同じく山本さんで出している「Pure Black ピュアブラック」を買おうと思っていたのですが、こちらに変更。
幾度となく飲んできた酒でもあるのですが、ここに取り上げたことは無かったと思います。
上記のピュアブラックは私の中でコストとパフォーマンスと汎用性の高さという観点から「もしも今後一生一種類の日本酒しか飲めないという状況になったら、何を飲むか?」との問いに入れたい一本ではあるのです。
しかしピュアブラックはそんな非常時になったら買えば良し、その隣にあった「ど辛」なのです。























華やかさは無いですし(山本さん御免なさい)老若男女に「美味しい」と言わせる酒では無いでしょう。
お安い価格のお酒なのですが、ある意味、この値段でこういうお酒はなかなか無いのではないでしょうか。
この「辛さ(私はこの日本酒度の表現が良くないと思っています)」は現代的な食中酒という考えると、とても良いかも。
確かに、少し「晴れ」を望むならば私もピュアブラックに行ってしまいます。
本当は、食べたいときにはフルーティーな酒が合わない事が多いというのは判ってはいるのですけれど、その「場」というものもあるので「美味しい」とか「肴に合う」といった観点だけでお酒をセレクトできないものですよ。

ある意味、地味な「ど辛」は「とりあえずビール」的な日本酒。
使い勝手は良いと思いますよ。