1990年頃から使っていますので、かれこれ30年程の付き合いとなるジレットのホルダー「センサー」です(石鹸カスで少々汚いですが)。
当時、銀座かどこかを歩いていたら無料で配っていたので有難く頂いたものなのです。
無料で頂いたものとはいえ、使ってみたら私の必需品となり、先程も書いたように30年以上の付き合いとなったのです。
本当に気に入ったものですから、私の場合はそういう道具は死ぬまで使いたいと思ってしまうので予備も購入してしまいました。
当時のパッケージに入ったまま保管してあります。
別にプレミアがつくと思っている訳ではありませんが、一本目のセンサーに不具合が起こった場合に備えてというだけなのです。
けれども不具合は全く起こらないので、こうして30年も当時のままの状態で。
写真では見えませんが、パッケージの右下には「MADE IN USA」「900円」と。
それ以前はT型剃刀ではなく電動シェーバーを使っており、BRAUNの製品を愛用していました。
BRAUNのデザインが好きでしたし、電動シェーバーで全く不便もありませんでした。
けれども無料で貰ってしまったジレットセンサー、このデザインが良かった。
私の好きだったBRAUNのデザイナー、ディーターラムスが関わっているのではないかと思っているのです。
プラスチック(おそらくABS)を両サイドからプレス成型の金属板(当初はアルミだと思っていましたが、ステンレスだと気づきました)で挟んだ本体。
基本は円筒形なのですが、ABS樹脂のリブ状突起が本体の向きを使用者に適切に伝えるように周到にデザインされています。
これは使ってみると明らかで、指に伝わるリブの位置が刃の方向を適切にイメージさせてくれるのです。
替え刃脱着用のボタンも同様に金属板プレスのカバーがなされています。
このシンプルながら非常に巧みに使用状況を考えられたデザインはなかなかありません。
因みにこれは私の記憶の中の情報なのですが、このジレットセンサーの純銀版(金属板プレス部品を純銀にしたもの)がティファニーで販売されていたと記憶しています。
値段は9000円位だったでしょうか、でも道具としては頻繁に磨いてやらなければならない銀よりもステンレスの方が良いですよね。
私自身センサー以降の剃刀を多数使用してみましたが、このホルダーを超えるものは未だかつて無いと思っています。
そもそもジレットだけでなくシックや貝印も含めてここまで美しいホルダーのデザインは無いと言って良いのではないでしょうか(主観です)。
上記の写真でも判るように、替刃は現在でもなんとか販売している「センサーエクセル」を使用しています(プラパーツがグレーで格好悪い)。
ジレットがマッハシンスリー(3枚刃)を発売した前後に、旧型となるセンサーにも3枚刃のセンサー3が登場しました。
ホルダーのデザインは全く持って駄目だったのですが、センサー3の替刃は非常に良かったのです。
私は愛用の古いセンサーホルダーにセンサー3の替刃があれば、一生安泰かと思ったのです。
まさに最高の道具だと。
けれども現在P&Gに買収されたジレットはセンサー3の替刃を止めました。
一応2枚刃のセンサーエクセルの替刃は継続してくれてますが。
すると上記の写真のように替刃だけグレーのプラとなるのです。
実は新しいホルダーを購入してみました。
FUSIONの限定版とのこと。
ジレットが5枚刃の「FUSION」に移行しているのは、勿論判ってはいます。
私も実際に買ってますし、使ってみました。
センサーに戻ってしまう理由は二つ、ホルダーのデザイン(使用感も含め)と替刃の値段です。
私が買ったFUSIONのホルダーと今回の限定版のホルダー。
FUSIONの場合バージョンがいくつもあったのですが、右側の通常版も出来るだけシンプルな色とデザインを求めて買ったもの。
オレンジやブルーのプラ部品が出来るだけ少ない奴を。
それでも「使いたい」と思うデザインではない。
今回の限定版は、ある意味潔いデザインとなってはいます。
右よりはマシですから、必要な道具となれば使うかも。
5枚刃のFUSIONは確かに良いと思うところもあるのですが、たかが2枚刃(センサー3では3枚刃)のセンサーの上位互換とは思えないのです。
言ってみれば「オーバースペック」でしょうか。
FUSIONの替刃は、30年前のセンサーの替刃の価格の3倍以上ですからね。
消耗品である替刃の単価を上げて行きたいP&Gさんの思惑も判りますよ。
商品としてという観点からすると、ジレット(P&G)さんにはセンサーの良さを再認識していただければと願います。
P&Gさんがジレットを買収したのが2007年ですから、買収以前の製品の価値が判るかどうかというのも微妙だとは思いますが。
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