ちょっと前のニュースなのですが、少し気になったニュースです。
「リーバイス再上場、650億円調達へ」と。
私は70年代からリーバイスのジーパン(太陽にほえろの時代ならいざ知らず、今はこう呼ばないのでしょうけど)一筋ではあります。
これは過去にも書きました。
赤耳が無くなっても、後ろのポケットの黒糸補強が無くなっても、米国製でなくメキシコ製やエジプト製になっても基本的には501一筋。
一つ弊害があるとすると、ズボン(今はパンツとかボトムスと言わねばならないのかも)を履く際、ウエストの一番上のボタンを留めるという動作が「フィニッシュ」だと刷り込まれてしまっている事でしょうか。
ボタンフライの501の場合、下のボタンから順に上のボタンへと上がっていくのですが、最後に一番上のボタンを留める事はフィニッシュなのです。
しかし普通のチャック(ファスナー)付きのズボンの場合、チャックより先にウエストのボタンを掛けるのが普通だと思います。
するとその「フィニッシュ」だと身に染みている動作の後にどうしてもチャックを閉めるという動作を忘れてしまうのです。
度々「社会の窓が開いてますよ」と言われます。
この社会の窓という表現も今では死語なのだと思いますが、良い言葉だなぁと思うのです。
それはともかくリーバイスという会社が一旦創業者の手に戻り、再上場という形となった今後、その商品がどうなって行くのかというのは気になる所です。
先にも書いたように基本的には501一筋では来ましたが、年々落ちていく商品のレベルには正直言えば萎える思いがあったのです。
そんな思いもあり浮気して買ったジーパン(何と言うのでしょうかね、デニムパンツ?)があります。
Leeの101Bというモデル。
私がリーバイスに出会う前、Leeを履いていた頃の70年代後半には201というモデルが殆どだったと思います。
当時の201はリーバイスと比べて股上が深く、腰骨でベルト無しで履けるリーバイスと異なり、ベルト使用を前提としたシルエットだったと思います。
当時はシャツインが当然でしたし、特にLeeの場合は右後ろの牛革製のパッチがベルトループにもなっている事もありまして、当然私もベルト使用。
このディテールが格好良かった。
西部劇が好きだった事もあり、ウェスタン風の唐草模様みたいなカービングベルトを愛用し、このレザーパッチを通して着用していました。
この101B、やはり当時の201と同様の股上の深いシルエットです。
しかしこのモデル、当時は存在しなかったボタンフライ、つまり501と同じなのです。
これなら「開けっ放し」を防ぐことができます。
このフロントのポケットに記されている品質表示、私には少々オーバースペックかも。
当時のアメリカ製はそれほどの高品質ではなかったと思うのです。
私の記憶では、当時のLeeの縫製は荒くて雑だったと記憶しています。
一方でLee特有のデニムの荒々しさは良い印象なのですから複雑です。
この101Bのデニムの風合いは当時(70年代)そのままと言っても良いのではないでしょうか。
なんとか再現しているのだとしてもこのLeeらしいデニムの風合いは素晴らしい、きっと良い風合いに色落ちすると思いますよ。
細かいところまで見てみますと、縫製やディテールに関しては本当に良くできています。
当時のアメリカ製ではこんなに綺麗に縫ってませんでしたよ。
後ろのポケットの内側のステッチの最下部、このように小さく三角に綺麗に縫ってあったかなぁ、アメリカ製の頃はディテールを見る事もなかったのかも。
現在の日本製となったLeeは過去のアメリカ製のLeeらしいデニムの風合いに加えて、日本らしいきめ細かな配慮が備わっている感じがします。
これと比べて見ると現在のリーバイスのジーンズは悲しくなってしまいますね。
私が思うに、やはりEDWINが買収したというのが良かったのではないかと思うのです。
ただのアパレルメーカーではなくて、ジーンズを知り尽くした、ジーンズの価値を理解しているEDWINでなくてはこの風合いやディテールへの配慮は残せなかったのではないでしょうか。
どうしましょうか。
501一筋を止めて、501に移行する前に好きだったLeeにもう一度帰ろうか。
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