昨年から糠漬けをやっています。
杏さんのドラマが影響したのでしょうか。
もともと漬物や梅干は毎日食べたいと思っていましたが、我が家での消費量はごく少量。
買えば良いとは思いつつ、そのうちやろうと思っていたのです。
長男が漬物や梅干を好んで食べるようになってきたので、消費してくれる人数が一人増えました。
始めるべきですよね。
容器は常滑焼のカメの2号(2升用)です。
夏場に冷蔵庫に緊急避難しなければならない場合でも、なんとかなるサイズです。
きゅうりを丸ごと漬けるには深さが少々微妙ではあります。
糠と塩以外に入れている物は赤唐辛子(国産の生を干したもの)、昆布、干椎茸、酒粕(白鶴ので間に合わせました)です。
東北の血があるためか、塩は通常より多めになっていると思います。
そして入れようかどうか迷ったもの、結局投入しましたが「ビオフェルミン」です。
ビオフェルミンに含まれる乳酸菌は3種、ビフィズス菌、フェーカリス菌、アシドフィルス菌です。
なかなか糠床の乳酸菌の活性がみられなかったのもありますが、投入したかったのはビオフェルミンに含まれる「フェーカリス菌」です。
本来は人体に付着しているものでもあり、糠床を掻き混ぜていれば自然に増殖するはずです。
しかし一説によるとこのフェーカリス菌、女性には多くいるらしい。
逆に言えば男性(ついでに親父)にはほとんど生息していないのではないか。
この効果か、完全に酵母による発酵が支配していた我が糠床に乳酸菌による発酵が現れました。
いままでパンの生地のような匂いだったものに酸味のある匂いが加わっています。
冷暗所でなく、暖房の効いた「人が活動する場所」で保管していますが、それでも冬ですので菌の活動は限定的。
酸味は少ないですが、味はだんだんまとまってきました。
ところで私は糠床の容器にカメを選択しました。
一方、琺瑯やプラスチックの容器で漬けている方も多いと思います。
カメを使おうと決めた際に、非常に大きな壁が存在する事を知りました。
このカメは常滑焼「久松窯」製なのですが、久松窯は2013年に廃業してしまっているのです。
漬物用の常滑焼のカメのほぼ全てが久松窯製だったそうです。
こんなカメ、どこにでも売っているものと思い購入しましたが、実は常滑焼ではなく中国製でした。
似たような2号のカメが二つ。
左が現在使っている久松窯製、右が中国製です。
非常に上手くコピーされていますし、しかもほぼ半額の値段です。
しかしこうやって並べて見ると、表面の釉薬の平滑度が違います。
一番ふくらんだ部分、中国製のカメは生地の状態で既に凹凸があり、そのまま釉薬を乗せたことが判ります。
縁の部分などもこのような状態。
さらに内部にも生地の段階で既に気泡があった上に釉薬を乗せたような跡。
確かに、このカメでも糠漬けは可能でしょう。
何も問題ないと考える方も多いとは思います。
しかし「適当に作った道具」、さらに「コピー製品」で我が家の日々の漬物を漬ける事は私は解せない。
この半額程のカメが出回った影響で久松さんが廃業されたのかどうかは判りませんが、常滑焼(のはず)のカメが常滑で焼いていない「偽常滑焼」で構わないと思ってしまったら、身の回りのもの全てが劣化コピーで良い事になってしまうではないですか。
ですので備品等も久松製品に。
たかだかこんな物、ケチる必要はありません。
そしてこの「偽常滑焼」のカメはどうしようかと考えました。
粗大ゴミに出すにもコストが掛かります。
有効利用として、これら落とし蓋等の収納にしています。
1kgの落とし蓋が3個でいっぱいなので、収納としては役立たずではありますが、少しは役に立っています。
悪貨は良貨を駆逐する ってことわざの見本ですね。
返信削除私もつい安い方に目が行ってしまいやすいのですが、
まずは生産国をチェックするようになりました。
値段より品質本位で選びたいのですが、何度か騙されないと目利きができないですね。