2020/05/24

ネックの修理

やってしまいました。

















愛用しているストラトのネックに凹みをー!。

ギターなんていう楽器は抱えて演奏するものですから、ぶつけたりするのは仕方が無いのです。
このストラト2000年~2001年頃(ネックを外したことがないので正確な製造年は判らない)のものなのですが、できるだけ綺麗な状態で使いたいので大事に扱っています。

人によっては「レリック加工」という使い古された状態を敢えて施す方もいらっしゃいます。
けれども私はギターに関しては、出来る限りオリジナルに近い状態にしておきたいと思うのです。

少しでも元の状態に戻したい、修理します。
凹んだ部分に濡らしたティッシュを置いて、半田ごてで熱します。

要は屈曲した木材の繊維を蒸気によって元の形状に戻そうというわけです。
どうでしょうか、少し凹みが少なくなったようにも見えます。
このストラトのようにラッカー塗装が施してあると、蒸気の効果は限定的。
素地やオイル仕上ならば効果あるのですが。
そして怖いのはラッカー塗装の下に蒸気が入り込むことによって、既存の塗装の剥離を生じさせてしまう可能性です。
正直、ビクビクしながら施工しました。

次はラッカー塗装です。
水分を蒸発させるために2日間待ちました。
1ccも使わないだろう事は判っていますが、300ccのニトロセルロースラッカーを購入。
この時代のストラトキャスターはポリエステル塗装ではなくラッカー塗装なのです。

実はこの凹みにラッカーを塗る作業を5回程繰り返しました。
乾燥(有機溶剤が揮発)すると引けるんです。
少しづつ塗り、硬化(2日は放置)したらまた塗るを繰り返す。
僅かに盛り上がっているところまでになりました。

そして、この盛り上がりを削ります。
繊細な作業になると思って選択した道具は爪やすりと研磨クロス。

余計な部分を削らないようにマスキングして爪やすりで削ります。

マスキングを剥して研磨クロスで磨きます。

よくよく見れば判るけれども、なかなか良い状態に戻ってくれたではないですか。

















我ながら、なかなか良い仕事だと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿