2021/09/18

クロウ(Crow)に苦労

 この時期、特になのかは判りませんが善福寺公園にカラスの羽が落ちているんです。

拾って臭いを嗅いでみたりします。

カラスの羽は「臭い」と言われるのですけれど、別に臭くないじゃない。

いや、私の鼻が鈍っているだけのことなのかもしれません。

買ったカラスの羽も所有しているのですが、あちこちに落ちているカラスの羽を集めます。

ウイングのクイルは勿論の事、ブレストフェザーやウィングカバーやらも。

帰ったら洗剤で洗って汚れを落とし、一旦乾かしてからやかんの口から出る水蒸気で高温消毒とファイバーの曲がりの復元をします。

カラス(クロウ)の羽を使うフライパターンは数多くありますが、沢田さんでさえ「クロウ」の代わりに「グースの黒染色でも可」と書いてあったり。

しかしクロウの羽は水に入れるとブルーに光るのですよ「カラスアゲハ」の羽のように。

これが染色の「黒」とは全く異なるところ。

これ、恐らく構造色というのでしょう。

特に空気中より水中の方がブルーに光るようです。

これもまた屈折率の関係だと思っています。

つまり善福寺公園で拾ってきたカラスの羽を洗っていたら、グースの黒染色とは異なるカラスの羽の輝きを知ってしまったという事なのです。

ですからカラスの羽を使ってフライを巻きたいという意欲が沸いたのです。


















購入したクロウの羽ではなく、拾ってきたプライマリークイルを使いました。
先にも述べたカラス特有の「ブルー」は羽の表側で生じます。
セカンダリークイルやテールもあり、通常ならばセカンダリーを使うのが羽の「表」を見せることになるのですが、今回はプライマリークイルを使いました。
プライマリークイルというのは普通は逆反りしていますので裏側の光沢の有る側を表面とするのが普通です。
しかしクロウのプライマリークイルのインナーベインは先端の方が「逆反り」でなく「純反り」なのです。
ということは羽の「表」を表面にして巻くことができる。
セカンダリーやテールも巻きました。
そしてこのプライマリーの先端部分も同様なのですが、結束力の無い羽なんです。
つまり巻くのが難しい。

クロウのウイングを使うパターンとして、一番巻きたかったのは「リッチ ウィドウ(Rich Widow)でした。
なに、このネーミング。
「Rich(裕福な)」「Widow(やもめ)」。
どういった経緯でネーミングしたのかは判らないのですが、少し気になる。

















この毛鉤は個人的な主観からすると「クロウ」のウイングのフライの中では最高の美しさを持っていると思っています。
何本か巻いたんですよ。
しかしながら、なかなか満足できるものが巻けない。










奥にガバナーなんかも巻いてます。

クロウに苦労してます(なんでも洒落にする必要ないとは判ってますけど、年代的にやってしまうものです)。


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