2019/10/13

銀三の包丁

料理は好きです。
ですから道具の使い勝手には拘っていると思います。

包丁は幾つか持っています。
魚を捌くための出刃は安い鋼(大きな魚を捌くことが無いのでアジ切り)、菜切包丁は杉本の鋼、これらの包丁は下ごしらえで使う包丁です。
それでは刺身は?というと、ヘンケルのステンレスの三徳包丁を使っています。
私ごときが柳刃を使うのもおかしいですし、それ以上に重要なことは私が料理人ではなくて食べる側だという事。

私が料理人ならば、刺身を切った後すぐに包丁の手入れをすることができます。
けれども私もそれを食べる側、包丁の手入れやらを放っておいてしまうのです。
すると鋼の包丁を使うのを躊躇わざるを得ません。
下ごしらえで使う包丁ならば作業過程で洗って水分を拭き取るのは容易なのですが。

今回新しい包丁を使うことにしました。
和包丁ではありますが、両刃の三徳包丁、つまり万能文化包丁ですね。


















堺の實光の包丁です。

何年か前、河童橋を歩いていたときから見ていたものです。
そのころ見ていたものは柄が一位の木だった事もあり欲しかったのですが、それは既に無くなってしまったようで、この柄は朴の木のようです。
しかし桂部は水牛の角製ですから、そこそこ良い感じ。

それはともかく、この包丁を買った理由は「銀三」であること。
つまりステンレスなのです。
けれどもこれまで使ってきたステンレス包丁とは違うという事は判りました。
恐らく鋼のように柔らかい(ステンレスとしては)のでしょう。
これは研ぐと実感します。

錆びない、つまり鋼の包丁のように料理をした後に直ぐに手入れしなくても良い。
食べる前に包丁の手入れをしなければならないなんて、という事なのです。
それでいて鋼の包丁のような切れ味をも備えている。
洋包丁とは異なる厚みも良い感じですし、良い道具になってくれそうです。