2017/01/08

龍力と天鷹

年明けて初めての三ツ矢酒店
お年賀まで頂いてしまいました。


















気を良くして、今日も二本試すことにしました。

左は灘(兵庫県)本田商店謹醸の龍力、特別純米生酛仕込み。
右は栃木県の天鷹酒造、辛口純吟。


























何度も書いていますが「生酛」の可能性は無視できませんね。
実は澤乃井の「東京蔵人」という生酛のお酒も店頭に置いてあって非常に迷ったのです。
しかし今回は生酛の龍力と五百万石で仕込んだ天鷹という、あえて異なる方向を選びました。

生酛の龍力は当然ながら冷酒でもフルボディー、そしてどんな温度帯での燗でもこなしてしまうキャパシティー。
もちろん主張はあるのですが、肴を拒むような主張ではありません。
























一方の天鷹、いかにも五百万石らしいスッキリとした味わいです。
























五百万石の印象(私見ですが)は山田錦のような華やかさはない、端麗辛口です。
もちろん主張してきませんから、どんな肴にも合わせられるオールマイティーさを持っているとも言えます。
冷から冷酒を勧めているようですが、燗でも行けます。
むしろぬる燗くらいの方が美味しく感じる気がします。

あくまでも酒は脇役だと考えるとして、主張する龍力も有りですし、主張しない天鷹もある気がするのです。
龍力に関して述べたように「主張はするが肴を拒むものではない」という方向がある。
私はよく判りませんが、ワインの世界ではそうなのかも?
個性があると調和しにくいだろうという考え方というのは確かにあります。

私の大好きなアルバム、マイルス・デイビスの「マイファニーバレンタイン」というのがあります。
サックスはコルトレーンではなくジョージコールマンではありますが、それを加味しても個性のぶつかり合いであったと想像します。
しかしこのライブアルバムの完成度というか纏まり感というか。
ある意味トランペッターとして吹きまくるマイルスではあるのですが、それが綺麗に溶けて行く感じ。
ハービーハンコックやロンカーター、トニーウイリアムスも決して控えめにしようなどとは思っていないと思うのですが、全ての個性を感じるにも関わらず一つに溶け込んでいるような。

個性を出すと調和しなくなってしまうのかな?

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