2017/02/05

長野の井の頭

前から一度買ってみようと思っていたのですが、なかなか機会が無いままに。
しかしたまに覗く吉祥寺の酒屋さんで買ってみました。


























長野は漆戸酒造の「井の頭」純米です。
吉祥寺の酒屋さんだから「井の頭」なのではないのですが、おそらく酒屋さんはこのお酒の命名の由来を考えた上で扱っているものと想像します。


























酒米がひとごこち、59%精米。
「小川酵母」とありますので協会10号なのだと思います。
10号酵母は酸味が少ないとは言われますが、確かにそれは感じます。
裏ラベルの酸度の数値は決して低くはないのですけど。
それから、これまであまり味わったことのない、ある種独特の方向があります。
これは「ひとごこち」によるものか「小川酵母」によるものか、あるいは両者の組み合わせによる結果なのかは判りません。

燗でも美味しく頂けます。
もちろん酸味は来ませんが、先の個性的な味わいがさらに美味く感じられるようです。
敢えて難を言えば、キレが無いところかな?

2017/02/04

料理酒

うちの料理用のお酒入れ。


























この料理酒をご紹介したい訳ではありません。
実際、中身も入替えてしまっていますので。

私も色々なお酒を飲んでいますが、その中には先日の大平山のようにスーパーで購入したものもありますから、いつも三ツ矢酒店のような日本酒のセレクトが良い店で購入している訳ではないのです。

つい先日も大平山を購入したスーパーとは別のスーパーで購入した「純米酒」がありました。
四合瓶で600円台という激安のお酒だったのです。
埼玉県の北部にある蔵のお酒です。
この蔵、昔はウイスキーも醸造しておりましたが、経営難に陥り他社への営業譲渡となりました。
その際、譲渡先企業はウイスキーからの撤退、つまり蒸留所と原酒の廃棄を決定しました。

しかし廃棄されることとなった原酒を貯蔵する場所を提供した県内のS酒造の協力を得て、そしてその原酒を世に送り出すまで仕上げ、2008年に英国のウイスキーマガジンにおいてジャパニーズ部門のゴールドアワードを受賞。
「ベンチャーウイスキー」などと呼ばれたこの話、ウイスキー好きの間ではご存知の方も多いと思います。

そう、営業譲渡された元の蔵のお酒だと判った上で、しかも物凄く安い「純米酒」。
これは如何なものだろうという興味で四合瓶を買ってみたのです。

味はそれほど悪くはありませんでした。
もちろん美味しいと思う部分も無いのですが、お酒としては飲めなくはないなぁと。

しかし翌日に結果が。
久しぶりに頭痛です。
以前にも書いたことがありますが、私は醸造アルコール添加のお酒を飲むと翌日はこのようになります。
僅かなアル添の本醸造の場合は大丈夫な場合もあるのですが、頭痛になるのは大抵が醸造用アルコールが入ったお酒を飲んだ翌日なのです。
本醸造でも美味しいお酒がありますから、アル添を全く飲まないわけではありません。
けれども翌日に多かれ少なかれこの症状になってしまうことは、これまでの経験で判っているのです。
ですから当然ですが「甲類」の焼酎も基本的に飲みません。

しかし今回は激安とはいえ「純米酒」と書いてあった一本。
これまでどんなに口に合わない純米酒を飲んだとしても、翌日に影響を及ぼすことはなかったのですが。

とにかく、このお酒は「料理酒」の瓶に入ることとなりました。

2017/01/27

櫻正宗 焼稀(やきまれ)生一本(きいっぽん)

新宿の東急ハンズで金物やら素材などを見て廻っていました。
ついでに撤退してしまった紀伊国屋書店の跡に出店したニトリも少し見たりして。
高島屋の方に戻り、食器売場なども。
私は食器も好きなので、どこの百貨店でも食器売場に行くのですが売場は寂しい感じですね。

夕方という事もあるでしょうが、百貨店で常に賑わっているのは食品フロアです。
地下のフロアだけは大賑わい。
「衣」も「住」も既にそれなりにあったならば日々の変化を楽しめるのは、やはり「食」なのかも。

そんな私も「日々の変化」を楽しもうと、一升買いました。


























久しぶりの一升瓶でもあり、灘の「櫻正宗」というトラディショナルな一本です。
櫻正宗というと、鶯谷の鍵屋を思い出すのですが、しばらく行ってませんね。
もちろん燗でまったりと飲みたいと思ってのセレクトです。

「焼稀」というのは上等酒ということのようです。
「生一本」とは「自社醸造した純米酒」であることを意味しています。
単一醸造元で製造された清酒だけが入っている、という事ですね。
これは逆に言えば「桶買い」したものではないよ、と言う意味でもあるわけです。
灘や伏見は大手の蔵がたくさんありますから、中小の蔵から桶買いを(つまり下請け生産させる)という事は多々あるでしょう。

今でこそ僅かな生産量の蔵でも、味と品質を高めればで全国的にお酒を売ることができるようになりましたが、一昔前はなかなか難しい事だったろうと思います。
品評会の結果だけだった頃から、雑誌等での評判、今ではSNS等での評判やらで、情報が勝手に飛火して行くような現在。
「〇〇が美味しい」との情報が立つと、あっという間に市場から無くなってしまったりします。
つまり小さな蔵でもチャンスがある訳です。

さて「櫻正宗」ですが、私も久しぶりに飲みました。
昔は自分の「好みの一本」を探すために色々な日本酒を飲んでいたのですが、その「一本」を定めるのは、どうやら不可能だという事が判ってきました。
今は気分や季節に任せて色々な日本酒を飲みたいと思っています。
そう、今回もこの寒い季節に「櫻正宗」のラベルを見て「これだ」と思ったのです。


























裏ラベルからも、どちらかというと燗が良いですよ、と。
私は上燗(45℃)から熱燗(50℃)くらいが良いと思います。
燗にすると酸味がほど良い感じ。
さんざん冷えて帰宅した時に飲むと、間違いなくほっとするでしょう。

2017/01/21

大平山の神月 生酛純米

昨年末にも近くのスーパーで大平山のお酒を買いましたが、また同じスーパーで入手しました。
小玉醸造の大平山、神月生酛純米です。


























年末のお酒も「蔵元の隠し酒 番外酒」などと書いてありましたが、この一本も{杜氏 猿田修 隠し酒」なんて書いてあります。
精米歩合は59%(細かい)、酒米は秋田ではメジャーな美山錦です。


























「The Japan Times」の新聞紙で包んでありますが、包装を破くと中の瓶にもちゃんとラベルが貼ってありました。


























この「神月」は生酛特有の酸味は控えめ、いや味を含めて全体的に控えめです。
上記の「蔵元の隠し酒 番外酒」は純米吟醸でしたが、そちらの方が全てにおいて押しがありました。
そして大七の生酛と比較しても控えめの方向でしょうか。
詰まるところ、癖がありませんからどんな肴とも合いそうです。
当然燗にするのですが、とびきり燗やら冷やら、どんな温度帯でもこなす優等生。

そして何と言っても安いです。
この四合瓶は¥1050、一升瓶でも¥2100です。
味の傾向で私の好みからすると秋冬系のお酒なのですが、この季節にいつも置いておく酒としては結構良いのではないでしょうか。

2017/01/14

仙禽(せんきん)のDolce Aroma

昨日の夕方は少しの間、四谷に居ました。
鈴傳の奥の角打ちです。




















金曜日だからという訳ではないのでしょうが、六時頃からどんどんお客が入ってきて、あっと言う間に満席になってしまいました。
一方で退出する方々も早いので、上手い具合に席(立ち呑みなので椅子はありませんが)が有効利用されています。
私も30分程で退出しました。

今日のお土産はこちら。
株式会社せんきんの「ドルチェ・アロマ」です。


























仙禽さんというと、ワインに通じる原料米のドメーヌ化に拘った酒造りに目指している蔵です。
このドルチェ・アロマは瓶もワイン風でとても日本酒には見えませんね。

酒米は「ドメーヌさくら・ひとごこち(栃木県さくら市産)」とあります。
ドメーヌさくらは仙禽さんで所有する田んぼで作っているのでしょうか。


























仙禽さんも生酛造り、そして木桶です。
生酛のお酒をいろいろ試してみたいと思っている私なのですが、それよりもこのドルチェ・アロマを飲んでみたかった理由は「ボルドー培養ワイン酵母・X5」という記述です。
ワインの醸造の場合は元々は葡萄に着いている自然酵母(野生酵母)に任せていましたが、近年は培養酵母を使用して酒質の安定を重視する方向もあるようです。
日本酒の場合も同様で、良い酒が造れる実績のある培養酵母を使用するのが普通です。
逆に最近は蔵付き酵母に任せるという博打を敢えて採用する蔵もありますが、協会6号(新政)、7号(真澄)、9号(香露)という実績のある酵母を使用するのがこれまでの常識でした。
その中で日本酒造りにワイン酵母を使用するなど初めての試みなのではないでしょうか。

仙禽さんなので、もちろん生酛によるクエン酸やリンゴ酸を多く含有する酸味で攻めてくるだろうというのは想像していたのです。
しかしこれは日本酒の領域を遥かに超えてました。
もはや燗をするという考えに行かない日本酒だと思うのですが、敢えて燗を実験してしまいます。
驚いたのですが、個人的に(酸味好きな私なので)かもしれませんが全然いけるのです。

やっぱり麹だけではなく、酵母の仕事も凄いんですね。
そしてまじまじと感じました。
過去の日本酒の固定概念が崩れて行く、いや日本酒というものが今飛躍的に進化しているという事なのでしょう。

2017/01/11

あさ開(びらき)

阿佐ヶ谷を歩いていました。
私の住んでいる西荻窪にも三ツ矢酒店があるのですが、実は阿佐ヶ谷にも酒ノみつや(三矢酒店)があります。
食べログにもありますように、こちらの三矢さんには角打ちスペースがあるのです。

一本四合瓶を購入したうえに、店の奥にある角打ちスペースに入ってみました。
入る前にレジのところで表示してあるお酒の中から好きなものを注文してお金を払います。
私は愛知の奥を注文、おそらく摺り切り100mlのデュラレックスでしょうから5勺でしょうか。
写真は既に飲んでしまってはいますが。




















二杯目を決めやすいように、ここにも本日のお酒メニューが貼ってある。


たまたま同席していたお二人、ご夫婦でしょうか。
「こんなに食べられないから」と柿ピーを分けて頂いちゃいました。
ありがとうございました。

結構たくさん頂いてしまったものですから、既に空いたグラスに何か入れなければ。
佐渡は逸見酒造の至をいただきに、ふたたび空のグラスを持ってレジのところへ。

後ろを振り返ると簡素な造りのカウンターが。
そして「今月の早川寿司」と書いてあって、営業日がカレンダーに記してあります。
不定期に寿司屋になるのですね。




















最後にもう一杯、澤乃井のしぼりたて生酒を。

先程店頭で購入した一本はこちら。
岩手県、あさ開の純米吟醸 初しぼりです。


























微かですが上品な吟醸香、そして綺麗な飲み口です。
主張してきませんから、色々な肴と合いそうです。


























ラベルに「冷やしてお愉しみください。」と書いてあるとおり、燗は駄目です。
香りが台無しになってしまいます。
ぬる燗でも駄目、冷酒に限ります(私の私見です)。

2017/01/08

龍力と天鷹

年明けて初めての三ツ矢酒店。
お年賀まで頂いてしまいました。


















気を良くして、今日も二本試すことにしました。

左は灘(兵庫県)本田商店謹醸の龍力、特別純米生酛仕込み。
右は栃木県の天鷹酒造、辛口純吟。


























何度も書いていますが「生酛」の可能性は無視できませんね。
実は澤乃井の「東京蔵人」という生酛のお酒も店頭に置いてあって非常に迷ったのです。
しかし今回は生酛の龍力と五百万石で仕込んだ天鷹という、あえて異なる方向を選びました。

生酛の龍力は当然ながら冷酒でもフルボディー、そしてどんな温度帯での燗でもこなしてしまうキャパシティー。
もちろん主張はあるのですが、肴を拒むような主張ではありません。
























一方の天鷹、いかにも五百万石らしいスッキリとした味わいです。
























五百万石の印象(私見ですが)は山田錦のような華やかさはない、端麗辛口です。
もちろん主張してきませんから、どんな肴にも合わせられるオールマイティーさを持っているとも言えます。
冷から冷酒を勧めているようですが、燗でも行けます。
むしろぬる燗くらいの方が美味しく感じる気がします。

あくまでも酒は脇役だと考えるとして、主張する龍力も有りですし、主張しない天鷹もある気がするのです。
龍力に関して述べたように「主張はするが肴を拒むものではない」という方向がある。
私はよく判りませんが、ワインの世界ではそうなのかも?
個性があると調和しにくいだろうという考え方というのは確かにあります。

私の大好きなアルバム、マイルス・デイビスの「マイファニーバレンタイン」というのがあります。
サックスはコルトレーンではなくジョージコールマンではありますが、それを加味しても個性のぶつかり合いであったと想像します。
しかしこのライブアルバムの完成度というか纏まり感というか。
ある意味トランペッターとして吹きまくるマイルスではあるのですが、それが綺麗に溶けて行く感じ。
ハービーハンコックやロンカーター、トニーウイリアムスも決して控えめにしようなどとは思っていないと思うのですが、全ての個性を感じるにも関わらず一つに溶け込んでいるような。

個性を出すと調和しなくなってしまうのかな?