2013/02/19

竹鶴PUREMALT12年

久しぶりに竹鶴の12年を。







































ご存知のように、広島県は竹原の小笹屋(竹鶴酒造株式会社)は竹鶴政孝の実家に相当します。
私も以前ご紹介しましたが、日本酒というカテゴリーでなくてはならない蔵元です。

それはともかく、自ら日本のウイスキーを作ろうと渡英し技術を学び、その技術が認められ、当時国産ウイスキーの製造販売を企画していた鳥井氏に招かれ山崎醸造所ウイスキーの初代工場長となりました。
壽屋(サントリー)でのウイスキー作りは鳥井氏のプロデュースであったでしょうから、壽屋を離れた後、余市で始まったニッカ(大日本果汁)のウイスキーは、恐らく本人が作りたかったものであったと想像できます。

国産のウイスキーですと、私は断然ニッカです。
もちろんサントリーの山崎や白州も美味しいとは思ってます。
しかし下級グレードで言うと、例えばブラックニッカはすごく良くできたウイスキーだと思うのです。
全ての商品、グレードに対して抜きが無いと感じるのがニッカなのです。

グレードとはつまり熟成年数でもあるわけですが、すると結果的に高価格になってしまうのです。
しかしウイスキーなんて、たかが酒ですよ。
その「手」をかけてくれた事に対して感謝しつつ、いつもの安物デュラレックスのショットグラスに入れました。

















日本のウイスキーが存在している事が有難い。
私自身、ニッカ宮城峡蒸留所には見学に行ったことがあります。
日本の山の清い水から出来ているのだな、という事を感じずにはいられません。
しかし自然環境があるから良いウイスキーが日本に誕生したわけでもありません。
これも竹鶴政孝という人物が自らの信念で英国の技術に学び、それを日本の環境を最大限に生かした上で昇華させようとした結果であることは間違いありません。

全く関連の無いような、少し前のニュースですが、こんな記事がありました。
<大気汚染>日本政府と東京都、中国に技術支援の意向―中国紙」
(2013年2月10日レコードチャイナ)
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69301

また同レコードチャイナには翌日こんな記事も。
「中国の大気汚染、日本政府が支援に動いた…大多数が「支持」「歓迎」―中国版ツイッター」
(2013年2月11日レコードチャイナ)
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69332

そして今日のニュースでも。
「中国共産党幹部「大気悪化の原因は外国投資の工場」 宇田川敬介氏が直撃」
(2013年2月18日産経新聞)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130218/frn1302181544007-n1.htm
「この事態を解決するのは、外国企業が空気をきれいにする技術を自費で持ち込み、中国をきれいにすることだ」
「中国は一方的に被害者である。被害者がなぜ、加害者の行った問題を解決するのか」
この論調にならなければならない中国という国に哀れみを感じざるを得ません。
自国(中国)の問題だということは理解しているのでしょうけれど、それを認めたくないのだろうなぁ。

技術というのは学びたいと思うからこそ学べるはず。
学びたいという人間が存在しない限り習得できないのです。
「教えろ」ではないのです。
実際に日本政府も東京都も、その技術が必要であれば提供する用意があると述べた。
ではその技術を学び、自国の環境に活かす事に従事したいという人間が中国にはいるのでしょうか?

幾多の環境技術の中から、それを選択して自分(自社)自身のケースに使えるか否かを研究、判断、そして実践できるのはそれを改善したいと思う当事者しか居ないはず。
当事者自身が「提供できる」という他国の技術を学び利用しようという「自らの意思」がないのであれば技術を活かす事は不可能でしょう。
竹鶴政孝ではないですが、自ら学んで、自ら実践するしかないと思うのですが。

これを中国で「真剣に」やりたいと思っている人が存在しないとは私も思いません。
しかし、その行動は当該企業のずさんさを暴露しなければならない危険性も伴います。
コストを重視したあげく「周知の上で」行っていた企業にとっては、自社の競争力に影響が生じるという悪影響が必然ですから「やりたくない仕事」であるのは明らか。
ましてや、それを制御できていなかった共産党への批判にもなりかねないというう大仕事なのです。
そう考えると、中国国内で「俺がやる!」という人が出てこないということも十分頷けます。

日本だけでなく、世界中にこの問題を克服する「技術」が存在するのかもしれません。
公害問題は日本だけでなく多くの国が試行錯誤で、さらに利権と闘いながら克服してきた問題です。
つまり「自らに鞭を打つ覚悟」が必要だし、あると判っている(認めたくないが)膿を出さなければならないのですね。
他人に責任転嫁していれば楽なのでしょうけれど、解決にはほど遠いですね。

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