「政府・民主党は、専業主婦のいる世帯の所得税を軽くする配偶者控除について、2013年度税制改正での廃止を見送り、当面は継続する方針だ。
複数の民主党関係者が明らかにした。次期衆院選が近づく中で、主婦層から強い反発が予想され、党内の意見集約も難しいと判断した。
民主党は09年の衆院選の政権公約(マニフェスト)で、配偶者控除の廃止を掲げたが、4年連続の見送りとなり、衆院任期中の年度改正では実現できないことになる。
政府が12月の閣議決定を目指す13年度税制改正大綱では、配偶者控除の廃止を含む見直しについて、引き続き検討することだけを明記する見通しだ。
配偶者控除は、配偶者の年間所得が38万円(給与なら年収103万円)以下であれば、納税者の課税対象となる所得から38万円を差し引き、所得税額を軽減できる制度だ。専業主婦や、パートをしている主婦がいる世帯が恩恵を受ける。
(2012年11月6日08時16分 読売新聞)」
確かに男女の区別無く社会進出を目指す社会としては、時代遅れの制度という意見もあるかもしれません。
けれどこの制度、何も納税者=夫、配偶者=専業主「婦」としているわけではありません。
納税者が妻、配偶者=専業主「夫」でも可なのです。
家族経営の自営業者などの場合、この控除を優先するか、専従者給与として経費にするかを天秤にかけるでしょう。
特に収入が少ない場合は、翌年の住民税等との兼ね合いで効いてくる場合があります。
いずれにしても定額の控除ですから、高所得者には殆ど不要な制度です。
逆に言えば低所得者、加えて一方(この場合配偶者)の所得が低い(つまりパート勤務等)世帯に恩恵のある制度です。
私は残すべき制度だと思っています(違う方法も考えられるとは思いますが)。
これとは別に昨年廃止になった扶養控除の件があります。
上記の配偶者控除と同様、収入からの定額控除です。
これが民主党が大々的に掲げていた「子供手当」と引き換えに廃止されました。
こちらの廃止の方が当時の「諸々の事件」から判断して、まさに「改悪」だったと思っています。
多くの方は翌年の住民税の額(前年の課税所得による)を見て気づいたと思いますが、この聞こえの良い「子供手当」が単なる増税手段でしかなかった。
一方この「子供手当」に、何十人(何百人というのも)の子供が居る(海外に)という申請者が現れたという報道も記憶に残ります。
しかも、この申請者が日本国の納税者なのかも判らない。
配偶者控除にしても扶養控除にしても「納税者である国民」の所得の再分配という意味合いが大きいと思っていますから、バラ撒き「手当て」では困るのです。
「多くの世帯において結果はほぼ同じ(マスコミでの論調ではこうでした)」だから良いのではなく、手当てなり控除を受けるべき人が恩恵を受けるものでないと。
株の配当は出資者だけが、宝くじの当選金は購入者だけが受ける権利がある。
国民年金や国民健康保険は保険料を納めるという義務を果たした人が受ける権利がある。
「人類みな兄弟」だか「友愛」だかと聞こえの良い提唱をしたところで、覆されることのない常識です(であるべきです)。
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