2012/12/19

LED電球

先日夜のJR四ッ谷駅のホームにて。
以前より明るくなったなぁと思い、ふと上を見たのです。



















FLR40Wのラピッド式蛍光灯かと思いきや、ちょっと様子が違う。



















写真に撮っても良く判らないとはは思います(by iphone)。
光源の対角上にゴーストが発生していますが、これが等間隔のドット状になっています。
そう、蛍光灯ではなくLEDなのです。

LEDの進化と普及は急激に進んでいます。
特にPanasonic(旧松下)を筆頭に家電メーカーが「LED電球」の性能アップを進めていった功績が大きいと思います。

数年前の段階では照明器具メーカーが主導でLED照明器具の開発が盛んでした。
これは従来のソケット規格(E26、E17といったエジソンベースのネジ込み式ソケット)に因らない新たな規格を模索した時期でした。
何故かと言えば、それまでは照明器具メーカーは殆ど松下やOSRAM主導の電球の規格に沿った照明器具を開発しなければならなかったからです。
しかしLEDという光源が実用段階に入った頃は、この光源を普及させる口金規格が存在しなかった。
さらにLEDの寿命が40000~50000時間という設定であるため、電球の交換をさほど考慮する必要がなくなった。
今まで松下やOSRAMの規格に合わせて開発をしなければならなかった照明器具メーカーが、今度は独自規格で開発できる!と意気込んだわけです。

けれど店舗用の照明器具はともかく、一般家庭においては昔ながらのエジソンベースの口金が多数残っていたのですね。

これは当然とも言えるのですが、照明器具の交換は通常(おそらく引っ掛けシーリング以外)は第二種電気工事士免許が必要。
つまり一般の方が照明器具を付け替えるというのがご法度であったからです。
テレビならば買い換えればすみますが、照明器具は電気工事をお願いしなければならないということです。

例えば蛍光灯で言うと、店舗や施設の照明器具がFDLからFHTというように全く異なる規格であるにも関わらず普及していったというのは、過去の照明器具を残さず、総取替えが当然として進めていたから可能であったもの。
しかし一般家庭においては新築の場合はともかく、照明器具の構造的には殆ど壊れる事のないエジソンベースの器具をわざわざ交換して新しい規格の器具に交換する必要性もなかったのです。

こうして昔ながらのE26やE17口金の器具は一般家庭においては多数残っている状態となったと想像できます。
こうなると照明器具メーカーではなく、電球を製造できるメーカーが有利です。
蛍光灯の時代でもEFD等のエジソンベース規格の電球型蛍光灯が作られました。
ですが蛍光灯は、その構造上蛍光管の長さと表面積を稼がないと望む明るさを発揮できない。
なかなか昔ながらの電球の形状に収めることが難しいのです。
しかしLEDの時代になると状況は異なってきます。
この光源(LEDチップ)のサイズの恩恵で、さらに昔の電球の形状に近いLED電球を作れるようになりました。
昔から使っている照明器具に装着しても違和感なく使用できることになります。

さらに細かく言うと演色性(照らした物の色の見え方に関する性能)という問題もあるのです。
やはり、一般電球やハロゲンランプ等のフィラメントを発光させて得る光にはおよびません。
これはフィラメントの発光による光が連続スペクトル(つまり赤-橙-黄-緑-青-紫という可視光線のどの色域においてもまんべんなく含まれている)だからです。
対してLEDや蛍光灯の光では均一な連続スペクトルを作れない。
蛍光灯で「三波長」と謳われた商品がありますが、これはRGBの三色の光の波長域を強化したもの。
理論的にはこの3色が存在すれば物の色は表現されます(テレビやディスプレーと同様)。
しかし人間の目というのは意外と正直で、太陽光や電球による連続スペクトルで見るものと、擬似的にRGBでけで何とか見せたものでは、印象が異なってしまうのです。
この「演色性」という性能は無視されがちですが、蛍光灯やLED電球には必ず表記されているはずです(Ra〇〇という形で、ちなみに昔ながらの電球はRa100)。
最近のLED電球、この性能においてもかなり高くなってきました。

私自身、昔は照明の仕事をしていた事もあり、つい一年前くらいまでは「LEDはまだまだだなぁ」などとほざいていたものです。
ですが現在の我が家の食卓の照明、シャープのLED電球に替えてしまいました。
これだけではありません。
殆どのダウンライトのE17ミニクプリプトンランプもLEDに替えました。
























一昔前と比べるとかなり全方位配光ですし、蛍光灯より違和感が無い。
放熱も少ない上、消費電力は1/10程度。
けっこう使えます。

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